1位は鹿児島県にある680人の離島

住民1人当たりの実質債務が最大だったのは鹿児島県の十島村で462万円。屋久島と奄美大島の間に位置し、7位の三島村(340万円)とともにトカラ列島を構成する。九州本土との交通機関は週2往復のフェリーのみで、それも天候次第でしばしば欠航する。三島村ととともに、村役場は村内ではなく鹿児島市にある。十島村には有人島が7つ、無人島が5つあり、有人島にはそれぞれ100人前後が住んでいるため人口680人の島に小・中学校が7校あるなど行政効率は悪い。

隠岐諸島の村が行った独自の町おこし

2位の島根県知夫村(409万円)は隠岐諸島の知夫里島にある。3位の海士町(389万円、中ノ島)、6位の西ノ島町(346万円)とあわせて「島前どうぜん」の3島を構成する。もともと人口が少なかったところへ、最近の離島ブームでお金がかかった様子。

「若い人はネット環境と下水がないと来てくれない」(総務課)ため、村で光ファイバーを敷き、下水(漁業集落排水)は100%整備した。さらに「住宅が不足していたのでアパートを村で用意し、状態の良い空き家を改修している。地元に法人はほぼないし、民間企業も来てくれない」(同)という。本来なら民間が手掛けるべきことまで村が行ったため借金は増えてしまったが、そのかいあって移住者は増え、人口も増加に転じている。

海士町は移住ブームの先駆けを作った自治体として知られ、知夫村とは協力して「島留学」の希望者を誘致している。昨年からは「大人の島留学」という事業も始めている。

財政がすぐに改善することは期待しにくいが、各種メディアで取り上げられるなど話題を呼び、好循環につながる可能性はある。