日本企業は内部留保を過剰にため込んでおり、本来行うべき設備投資を行っていない。これは企業としての責任を果たしていないばかりか、日本経済が低迷する元凶の1つとなっている。

安倍政権の発足以降、政府は3度も法人減税を行っており、日本の法人税率はかなり低くなった。優遇税制もたくさん存在しており、大企業を中心に過剰な支援を受けているといっても過言ではない。法人税を元の水準に戻すだけでも相応の税収を確保することが可能であり、これに企業の先行投資を促す税制改正を組み合わせれば、税収増加と企業の設備投資の拡大、そして経済成長を同時に実現する道筋が見えてくる。

もし消費増税について本格的に検討するということであれば、まずは法人税の在り方について十分に検討してからである。こうした議論がないままに消費増税の話だけが進むのであれば、安易な税収確保が目的であると批判されても致し方ないだろう。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
【関連記事】
日本人の「勤め先に期待しない割合」は世界最悪…経産省が「これはヤバい」と顔面蒼白になった衝撃データ
支払った消費税の半分以上はネコババされている…日本の税制は「金持ちと大企業」にあまりにも有利すぎる
値上げ地獄でも「増税」を押し付ける…日本人をますます貧乏にする岸田政権の危うさ
「消費税10%は間違いだった」安倍元首相がアベノミクスの指南役に告げた"増税の後悔"
「所得税率95%」に耐えられなかった…ビートルズの絶頂期に起きた"税金対策"の大失敗