激務でなくても「自分の時間」は確保しづらいもの。手をこまねいていては「雑務だけの人生」で終わってしまう。こんな悩みを一発で解決する「スケジュールを考える手順」とは――。DX推進の旗手としても名高い各務茂雄氏に話を聞いた。「プレジデント」(2022年11月18日号)の特集「人生後半の時間術」より、記事の一部をお届けします。

“やりたいことを全力でやる人生”をモットーに

“やりたいことを全力でやる人生”をモットーに今日まで生きてきました。KADOKAWA Connected(以下KDX)の社長在任中も、「社長たるもの24時間365日すべての時間は従業員のためにある」という思いの下、従業員ファーストで勤務しました。もちろん体力や精神の限界もありますので、仕事“だけ”をずっとやり続けることはできません。なので、リカバリーの時間は最小限、あらかじめ何カ月分も先まで確保しておく必要がありました。

三菱UFJ銀行CDTO補佐兼デジタルサービス企画部長 各務茂雄氏
三菱UFJ銀行CDTO補佐兼デジタルサービス企画部 部長 各務茂雄氏

KDX社長時代は全力で社長業に邁進すれば良かったのですが2022年3月で退任し、大学准教授などを兼務しつつ、7月には三菱UFJ銀行のDXを推進するCDTO補佐兼デジタルサービス企画部 部長を拝命しました。必然的に自分で時間配分を決めるため、「自分は何にどれだけ時間を割くべきなのか」「自分は何のために生きているのか」ということを考えるようになったのです。そうした中で、公と私の区別を意識するようになりました。

「公私の別」は私の定義で言うと――

【公】自分以外の“誰か”のために貢献する時間。仕事はもちろん家族を含めたコミュニティの一員としての役割を果たす時間も含まれる。

【私】自分“だけ”のために費やされる時間。「公」で消耗した体力・メンタルを回復、エネルギーの充電、キャパシティを拡張するために費やされる。

――となります。ただ、この「公」「私」は厳格な線引きで真っ二つに分かれているわけではありません。例えば同じ「公」に属する仕事でも“やらなくちゃいけない”ので義務的に淡々とやる仕事と、人から感謝され、自分でやり切ったという満足感・充足感を得られる仕事があります。後者には多分に「私」の要素が混じり、グラデーションになっている部分があります。

「プレジデント」(2022年11月18日号)の特集「人生後半の時間術」では、本稿のほか、「80代元会社員200人調査・年代別『やっておくべきこと』ベスト5」「40代・50代から『理想の人生』を手に入れる秘訣」「書き込み式『自分らしい老後』実現シート」など、限りある時間を自分のために有効に使う方法や先達の言葉を紹介する記事が満載です。ぜひお手にとってご覧ください。