20代で課長になれる人材は100人に1~3人だけ

専門家によると「早期に経営人材としてのポテンシャルを見抜き、特別なトレーニングが必要だ」と言う。

国内外のグローバル企業の役員のアセスメントを行う外資系コンサルティング会社のコンサルタントが言うには、そのポテンシャルとは具体的に言うと次の4ポイントだ。

【洞察力・好奇心・巻き込み力・胆力】

「ポテンシャルとは、先天的に身に付けている要素であり、われわれが人材を見極める場合に最も重視している。物事を深く考えることができる洞察力、新しいことに能動的に学び続ける好奇心、反対の立場の人とも折衝しながらうまく巻き込める力、困難な状況に立たされても決めきることができる胆力。このポテンシャルを持つ人を見つけて、トレーニングしてスキル・経験を身に付けさせると課長にふさわしい要件を満たす人材ができあがる」

逆に、ポテンシャルが十分にない人に対して無理に修羅場の体験をさせると潰れてしまうという。

このコンサルタントが言うようにこうしたポテンシャルを持つ人材を見つけて特別の訓練を施せば20代の課長が誕生するということでもある。ただ、問題はポテンシャルを持つ人材がどれだけいるかだ。

オフィス内を行き交う人々
写真=iStock.com/gremlin
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このコンサルタントは「われわれの経験では、例えば新卒を100人採用したとすると1~3人。新卒人材に限らない。グローバル企業の役員候補者を調べても、ハイポテンシャル人材は大体1~3%程度しかいないのが実態」と語る。

この話を延長すれば新卒を100人採用した企業であれば、20代で課長になれる人は数人程度ということになる。

しかも難しいのは、どうやって前述のポテンシャルを見極めるのかだ。聞いてみると、「ポテンシャルが高い人でなければポテンシャルを見極めるのには難しい」(コンサルタント)と答えた。見極め方は、同社が蓄積した世界のグローバルリーダーの行動特性のデータをベースに行うというが、その内容は社外秘であり、明かすことはできないということだろう。