ただそれっぽいものを放り込んだだけ

では、「ちむどんどん」が称賛を得るとしたら、何をどうすればよかったのか。

その答えは至ってシンプルで、「もっと真摯しんしに沖縄を掘り下げる」こと。当作は沖縄本土復帰50年の節目に制作された作品であり、放送前は誰もが「それが放送意義なのだろう」と思っていた。

しかし、ふたを開けてみたら、本土復帰の様子や当時の心理描写はさほど描かれず、第5週で暢子が上京して以降は、沖縄のシーンそのものが激減。時折、実家、優子が務める共同売店、良子が務める小学校が映されるくらいで沖縄のイメージは薄く、歴史や文化、復帰前後の県民感情などが描かれることはほとんどない。

沖縄を感じさせるのは、オープニングのアニメーションと、「でーじ」(すごく)、「あきさみよ」(あらまあ)、「まさかや」(本当?)、「まーさん」(おいしい)、「ぼってかす」(バカ)などの沖縄ことばくらい。ただこれらは本土復帰という節目とはほとんど関係なく、「ただ沖縄っぽいものを放り込んだだけ」という印象が強い。

評価を上げるラストチャンスは沖縄の扱い方

決して制作サイドが沖縄を軽視したわけではないだろうが、美しい自然を含め、せっかくの舞台を消化しきれなかったことが、称賛を得るチャンスを逃したように見える。

もし制作サイドが「沖縄よりも食を優先させたかった」としても、それなら料理修業やメニュー開発などのシーンをもっと増やし、その色を鮮明にすべきだったのではないか。

沖縄、食、家族。結果的にどれも掘り下げたようにも見えず、その優先順位もあいまいなため、どれも魅力を感じづらかったこと。それが細部までダメ出しされる背景になった感は否めない。

12日からの第23週では店の建て直しが描かれる予定だが、残る最後の2週はどんな物語を見せてくれるのか。

暢子の出産と子育て、賢秀と清恵(佐津川愛美)、歌子(上白石萌歌)と智(前田公輝)の恋は当然描かれるとして、それ以外で「沖縄にまつわる魅力的なエピソードをどれだけ見せられるのか」が称賛を得る最後のチャンスかもしれない。

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