流行下の旅行や帰省はなるべく慎重に

――そのほかにできることはありますか?

これまでと同様に、不織布のマスクをする、こまめに手洗い・アルコール消毒をする、3密……つまり密閉空間、密集場所、密接場面を避けることですね。これだけ新型コロナが蔓延している時期は、大人数が集まる場所を避ける、こまめに換気をする、なるべく会食をしない、悪いなどと思わずに人とは距離を取る、屋外であっても近寄る場合はマスクをする、仕事はリモートワークにするなどの工夫をしてください。お子さんはもちろん、ご自身、そして周囲の人を守ることにもつながります。

――旅行へ行くかどうか迷う方も多いと思います。どう考えたらいいでしょうか?

個人的には今までにない大きな流行なので不要不急の外出は控えるべきだと思いますが、行動制限をどのようにするかは難しいところですね。少なくとも体調がよくないときは、絶対に旅行へ行かないようにしてください。また、病床利用率の高い都道府県には行かないようにしましょう。もしも新型コロナや他の病気になっても、ケガなどをしても受診や入院ができないためです。

――帰省はどうでしょうか?

帰省は高齢者を感染させるリスクがありますから慎重に。ただ、遠く離れた親にずっと会いにいかないというのも、現実的にはさまざまな事情があるので難しいかもしれません。たとえ帰省しても、親戚や友人と集まっての宴会などはしないようにしましょう。そういう意味でいえば、同居家族だけで混雑しないところへ旅行するほうが、帰省よりはリスクは低いかもしれません。いずれにしても、1回PCR検査や抗原検査で陰性だったとしても、翌日には感染しているかもしれませんし、絶対に安心できる状況というのはありません。ですから、できる限り、各自がしっかり感染対策をすることが大事だと思います。

※この記事は2022年8月13日時点での情報を基に書かれています。

(聞き手・構成=大西まお)
【関連記事】
「離乳食の開始を遅らせてもアレルギー予防はできない」小児科医が警鐘を鳴らす、危険な「育児デマ」
だから過去最大の感染爆発が起きている…コロナ感染した現役医師が語る「BA.5の本当の怖さ」
感染拡大のたびに「行動制限と自粛」はもうやめよ…現役医師が訴える「コロナ第7波」で本当にやるべきこと
重症患者の7割にせん妄が出ている…新型コロナの「脳感染」が引き起こす肺炎より恐ろしい症状
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ