自律神経と腸内環境の好循環を目指す

腸内環境がよい状態になれば、サラサラな血液が全身の細胞に行き渡って、低下していた副交感神経の働きが高まりますから、自律神経のバランスも自然と安定していきます。

つまり、自律神経が乱れると腸内環境は悪化し、腸内環境が悪いと自律神経のバランスも崩れていきます。そして、自律神経が整えば腸内環境が改善され、腸内環境が整えば自律神経のバランスもよくなっていくのです。

私たちは「自律神経が整う」「腸内環境がよい」という好循環を目指すべきであることはいうまでもありません。

ぜひ皆さんに覚えておいていただきたいのは、自律神経を整えるための方法はさまざまありますが、中でも、腸内環境を整えることは自律神経を整えるための土台づくりだということです。

腸内環境が整っていてこそ、乱れてしまった自律神経のバランスを迅速に整え直すことができるのです。

「日光」と「腸」が交感神経のスイッチを入れる

私たちの体は、夜寝ている間は副交感神経が優位になっていて、明け方に近づくにつれて徐々に交感神経優位に切り替わっていきます。

その切り替えのきっかけ、スイッチとなるものが2つあります。

1つは、朝、日光を浴びること。これによって体内時計が「朝モード」に調整され、交感神経が活性化します。

そして、もう1つのきっかけは「腸」です。

朝目覚めたときに朝食をとると、胃腸に刺激が与えられ、腸が動き出して全身に血液が巡り始めます。すると交感神経が高まり、眠っていた間に優位になっていた副交感神経との切り替えが行われます。その後、腸の蠕動ぜんどう運動が活発になると、今度は副交感神経が高まって、過剰に低下するのを抑えてくれます。

副交感神経と交感神経のいずれも過剰にならないように、腸が2つの神経をスムーズかつバランスよく切り替える“きっかけ”をつくっているのです。

腸は、交感神経と副交感神経とのバランスを整えるだけでなく、1日のサイクルの中での交感神経と副交感神経とのスムーズな切り替えにも一役買っているということです。