住民登録証、ワクチンパス…なんでもありなマーケット

そのような書き込みが相次いだことから、マーケット側は、「コミュニティガイドライン」を発表。家族、友人、知人などの生命を販売する行為、身体・臓器を販売する行為、生命の尊厳を自ら捨てる行為、殺害を依頼したり暴力行為を依頼する行為などに関する文書の掲示を禁止したり、発見次第、捜査機関に通報するとの内容が盛り込まれた。

人参マーケットで取り引きされる商品の中には、それ自体が犯罪となるものもある。21年7月には、「青少年に5万ウォンで住民登録証(韓国の成人が持っている身分証)をオーダーメイドする」という内容で、偽造の住民登録証のサンプル写真が掲載されていた。このような書き込みは、何もこのマーケットに限ったものではない。様々な中古品取引サイトやFacebook、Twitterなどでも「身分証明書偽造」と書かれたものがたびたび発見される。

カフェを歩きながらスマートフォンを操作する手
写真=iStock.com/time99lek
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21年の12月には、ワクチンパスを譲ってほしいという書き込みも見つかった。防疫当局が管理するワクチンパスアプリのほか、ネイバーやカカオアプリなどからもワクチンパスを受け取ることができる。当該人物は「接種完了者のネイバーIDを5万ウォンで購入する」と、ワクチンパスを譲ってくれる人を募ったのだ。むろん、このような行為は「公文書偽造罪」に該当し、韓国で10年以下の懲役刑に処される重犯罪だ。

「ロレックス売ります」脱税に利用されるアプリ

一方で、フリマアプリでの取引は課税されないという税制の抜け道を利用し、脱税に利用する場合もある。21年10月、複数のコミュニティに、人参マーケットで高価な品物の売買を繰り返すある女性についての書き込みが行われた。江南に住んでいるこの女性は、「ロレックスGMTマスター2」を1億6500万ウォン、「ピアジェポロ」の男性腕時計を8999万ウォンなど、計130億ウォン分のブランド品を販売してきたという。

コミュニティの住人たちは、この女性について正規の販売業者が事業にかかる税金を逃れるため人参マーケットを利用しているのではと疑ったのだ。このような問題は、国会でもたびたび議論されてきた。