「論破」は実は自分に不利な行為

説得という行為は、相手を変えられない。プラスにならないだけではなく、マイナスもあります。最近の流行語を用いていうと、相手を「論破する」というのは、気持ちのいいことかもしれませんが、実際は自分にとって圧倒的に不利なことです。

いいくるめられて嬉しい人なんてこの世にいないわけで、恨みを買ったり、復讐されたりするおそれがありますから。なので、人と言い合うときや議論するときも含めて、「説得しない」というのは重要なポイントです。

やるべきなのは、あくまで自分の意見を伝えることと、客観的なデータや事実などの情報を伝えることにとどめておくことです。

あきらめたほうがストレスがない

それでも間違った考えを変えないのであれば、「この人はそういう人なんだ」と思うしかないんですよね。というか、そう思って説得をあきらめるほうがいいんです。

ひろゆき『無理しない生き方』(きずな出版)
ひろゆき『無理しない生き方』(きずな出版)

たとえば、会社のなかで、うまく仕事が進まないと物に当たったり、機嫌が悪くなったりする先輩がいて、職場の空気が悪くなるとします。このような場合、とりたてて実害がないのであれば、説得してそういう行為をやめてもらうのではなく、放っておくのが一番の対処法です。

梅雨に雨が続いて嫌な気分になる人は多いでしょうが、「梅雨に雨が降るのが気になって仕方がありません。どうすればいいでしょうか?」とはだれも考えませんよね。「まあ、しょうがないよね」とあきらめると思うんですよ。それと同じことです。

要は、あきらめていないと、よけいに気になるわけです。

何か対処法があるんじゃないかとか、こうやったら説得できるんじゃないかみたいなのがあると、自分に対処可能な問題であるような気がしてしまい、すると、それを変えられない自分にストレスを感じてしまうんですね。

そうではなく、目の前にライオンがいたら「戦ったら絶対勝てないよね」となるように、「これって自分の手に負えるものじゃないよね」と、さっさとあきらめてしまうほうが、よけいなストレスが溜まらないので、ラクになるんですよ。

相手を説得することなどできないのですから、自分を苦しめないために、あきらめることも大切だと思ってください。

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