16年間首位ブランドだったが、2018年に陥落

発売翌年の2002年から2017年まで首位ブランドに君臨したが、2018年「-196℃」シリーズを掲げた「ストロングゼロ」(サントリー)に首位の座を奪われる。当時、氷結ブランドに何が起きていたのか。

「大きく2つ理由があったと考えています。1つは消費者コミュニケーションで、2016年の発売15周年で『あたらしくいこう』という広告コピーを掲げ、CMでは志村けんさん、綾小路翔さん、さかなクンさんらにご登場いただき、話題を呼びました」

「今」を捉えた提案ができていなかった

「その訴求が好評だったので、翌年以降も内容を変えて続けましたが、2018年になると3年目。『あたらしくいこう』の違いを、お客さまに伝えられていなかったと思います。

もう1つは商品です。氷結は2005年に『早摘みレモン』、2008年にストロングで高アルコール、2011年には逆にアルコール度数3%を出すなど、その時代に合わせて新しい提案をしてきました。それが、今を捉えた新しい提案が十分にできていませんでした」

具体的には、「食事に合う」味への訴求だろう。

「無糖レモン」で流れが大きく変わった

氷結は飲みやすさが人気だったが、「甘くて食事と一緒には」という声も一部にあった。それを打ち破ったのが、甘くなく爽快な味わいを訴求した「無糖レモン」(アルコール度数は4%と7%)だった。2020年からブランド別首位に返り咲き、2021年も首位を守った。

「氷結 無糖レモン」
画像提供=キリンビール

今年2月からは「無糖レモン」で度数9%を発売。あえて9%を出したのは消費者の好みの多様化が理由だ。

個人差があるが、果汁感を求める人は4%、ビールユーザーにも似た、キレやドライを求める人は7%、お酒らしさ、酔いを求める人は9%を選ぶ傾向にある、という。