自己検査キットで陰性でも、症状があれば受診の検討を

一時的であれ感染の不安を払拭したり、陽性だった場合に自主隔離するために個人的に検査をすることは悪いことではありません。ただ、希望者だけに検査をすることでは感染を完全に制御するのは難しいようです。隔離されたくない人は検査を希望しませんし、自己検査で陽性でも隠したり、陰性だったと嘘をついたりすることもあるかもしれません。

陰性や偽陰性だった人が安心することでほかの対策を取らなくなり、新型コロナを広めてしまうこともあるでしょう。これはマスクでも、ワクチンでも、同じことが言えます。検査で陰性だったから、マスクをしているから、ワクチンを接種しているから……、といって、ほかの感染対策がおろそかになるなら逆効果です。それぞれの対策にはメリットもありますが、デメリットや限界もあります。感染状況を見ながらうまく組み合わせて予防策をとってください。

最後に、発熱や咳、のどの痛みなどの症状がある場合は、自己検査キットや医療機関以外のPCR検査で済ますのではなく、医療機関の受診を検討しましょう。自己検査キットで3回陰性だったので受診を見送り、結果的に新型コロナ肺炎で死亡した事例があります。また、それらの症状が起こる病気は、新型コロナウイルス感染症だけではありません。性能の高いPCR検査で陰性だったとしても、細菌性肺炎や敗血症や急性喉頭蓋炎といった治療を要する他の病気にかかっている可能性もあるのです。

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