YouTubeばかり見ている子供を勉強に向かわせるにはどうすればいいのか。教育コンテンツプロデューサーの犬塚壮志さんは「私の教え子は、学習動画を使って慶應義塾大経済学部に現役合格した。悪いのは動画プラットフォームではなく、その使い方にある」という――。
教室
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「YouTubeばかりで全然勉強しないんです」

子どもを持つ親を対象に行ったあるインターネット調査によると、「子どもがYouTube動画を視聴している間は集中しているため助かる」(46.1%)との回答がある一方で、「長時間の視聴が気になる」(42.2%)や「子どもにとって良いのか後ろめたさを感じる」(37.0%)といった回答が得られたそうです。

「うちの子はYouTubeばっかり観ていて、どうしたらいいんでしょうか……」、「YouTubeを観ていて、全然、勉強しないんです」。こういった悩みや相談もよく聞きます。

確かに、自分の子どもがYouTubeに夢中になってしまうと、勉強する時間がなくなったり、宿題をやるタイミングがズレたりしてしまい、子どもの勉強や学習に支障が出ると考えてしまうのもうなずけます。

YouTubeは使い方次第で学習教材になる

その一方で、現代の子どもからYouTubeを完全に引き離すのが難しいのも事実です。インターネットやスマートフォンの普及により、YouTubeは子どもたちの生活に非常に身近な存在になっています。さらに、2021年の年末に「進研ゼミ小学講座」が行った小学生の意識調査で、将来なりたい職業ではユーチューバー(YouTubeに出演する演者)が総合1位でした。

さらに、追い討ちをかけるように、COVID19による世界的パンデミックの影響により、学校や塾でも低齢層を対象にオンライン化が進んでいます。YouTubeをはじめとするオンラインの動画プラットフォームやコンテンツの子どもへの接触は、もはや止めることができない潮流でしょう。5G時代に突入し、オンラインでの動画教材の利活用が今以上に増えるはずです。

しかし、私も含め、今の親世代は動画プラットフォームを活用して勉強してきた経験がほとんどないはずです。だからこそ考えるべきことは、「子どもからYouTubeをどう切り離すか?」ではなく、「YouTubeをどう使えば、勉強や学習に役立てることができるか?」です。教育的な視点でYouTubeと上手く付き合うために、具体的な方法や事例をみていきましょう。