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図1・図2・図3・図4(「Jobvite Social Recruiting Survey 2011」をもとに編集部作成。)

「メールのやりとりの記録や面接の経過などを管理するデータベースの機能もある。人事部がダイレクトにリクルーティングしやすい機能です」(ラジャン氏)

ちなみに価格は年間8000ドル。日本円にして62万4000円(1ドル78円換算)。ヘッドハンターを使って採用すれば年俸の3割というのが手数 料の相場だ。この金額で優秀な人材を獲得できればコスト削減にもつながる。事実、日本の大手外資系企業はすでに利用しており、早ければ12年にも日本語版 サービスを開始する可能性があるという。そうなれば日本企業のダイレクトリクルーティングの可能性がさらに広がることになる。

リンクトインの活用は採用ツールだけではない。ラジャン氏は「ビジネスに不可欠な人脈づくりに役立つ」と指摘する。

「アメリカでは、ビジネスパーソンの75%がリンクトインを活用している。特徴の一つは、本人の知人の知人の知人という3段階先までコネクションを拡大するツールだ。たとえば日本の営業マンがアメリカの企業に製品を売り込みたいと考えた場合、突然、代表電話に連絡し担当者を教えてくれと言っても切られてしまう。リンクトインで国と会社名とタイトルで検索すると、売り込みたい相手の情報を得て的確にアプローチできる。あるいは知人のコネクションの中に担当者がいるとわかれば、知人に『紹介申請』を出し、紹介に値すると思えば担当者に紹介のリクエストを送ることや『推薦文』を書いてもらうこともできます」

ラジャン氏自身、直接のコネクションは1500人いる。自分から3段階先の知人となると1000万人に上り、オバマ大統領ともつながっている。ラジャン氏は「好き嫌いでつながるのではなく、ビジネスの前提のうえでつながっているのがリンクトインの人脈の特色」と語る。使い方によっては従来の営業手法そのものを変える力を持っている。

※すべて雑誌掲載当時

(小林雄一、的野弘路=撮影)