業界の最前線を走り続けている企業は、どこが違うのか。良品計画前会長の松井忠三さんは「トヨタやホンダのように強い企業は、確固とした企業風土を築き上げている。それは社内を見るだけで明らかだ」という――。

※本稿は、松井忠三『無印良品の教え』(角川新書)の一部を再編集したものです。

お互いにお辞儀であいさつ
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強い社員の条件は「締め切りを守る」「ゴミを拾う」

業界の最前線を走り続ける企業に共通していることは、非常にシンプルです。

「挨拶をきちんとする」「ゴミを見つけたら拾う」「仕事の締め切りを守る」といった、小学校で教わるような、人としての「基本のき」が社員に浸透していること。これが、強い企業に見られる共通点です。

人としての基本が組織の風土・社風をつくり、これが最後の砦になって、組織を守っていけるのです。

皆さんの会社では、これらの基本は守られているでしょうか。守られていないなら、危険信号がともっています。

無印良品の業績が悪化したころ、「基本のき」は崩れていました。そこで、こうした基本を社員に体得させるために、月ごとの目標として掲げることにしました。

ただ目標を言い聞かせるだけではなく、実行できているかどうかを内部統制・業務標準化委員会という部門をつくって確認させました。さらに、全社員を集めた集会でその結果を報告し、達成率をアップできるように促しています。

これは現在進行形で行っている取り組みで、今後もずっと続けていくでしょう。言い続けていないと、人は忙しさにかまけて基本をおろそかにしてしまうものです。

社員からうんざりされようと、やると決めたことはやり抜く。それがリーダーに必要な実行力です。皆さんも、自分の部署やチームの指導で思い悩んでいるのなら、まずはこういった基本から徹底させてみてはいかがでしょうか。

売り上げの達成やコスト削減など、リーダーが果たさなければならない課題は数多くあります。しかし、砦がしっかりできていない場所に城をつくっても、簡単に攻め落とされてしまいます。

遠回りのように感じるかもしれませんが、まずは砦をしっかり築き、それから業績をアップさせるための戦略を積み重ねていけば、必ず足腰の強いチームができるはずです。