小さな反感から組織が壊れる恐ろしさ

チームのメンバーがやる気をなくしたり、ミーティングに出なくなったりする。リーダーに指示されたことを拒否したり、または単にやらなかったりする。リーダー抜きでミーティングを開き始める。こうした事態はどれほど有能なリーダーにも起こりうることだ。

このようなことが起きるということは、チームがリーダーを信頼しなくなった兆候かもしれない。リーダーにとって、意気阻喪させるひどい経験になりかねないが、こうした事態は修正できないわけではない。

目の前で起きていることに虚心坦懐に向き合い、チームの考えに耳を傾け、率直に話し合うことによって、リーダーはチームの信頼とリーダーとしての影響力を取り戻すことができる。

「最初に、強くてよい組織を築くことが、そもそも問題が生じないようにするための最善の策だ」。こう語るのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院セレイ記念講座教授で、『Xチーム』の共著者としても知られるデボラ・アンコナだ。

残念ながら、リーダーができるかぎりの努力をしても、チームがリーダーに反旗を翻すのを防ぎきることは難しい。チームはあらゆる理由からリーダーを軽んじるようになる。たとえば、リーダーが重要な決定にチームを参加させなかったとか、チームの仕事を自分の手柄にしすぎたといったことである。

「リーダーに尊重されていないと感じたら、メンバーのほうもリーダーを尊重しなくなる」

スタンフォード経営大学院モガダム家記念講座のリーダーシップ・組織行動学教授で、同大学院女性リーダー育成プログラムの共同ディレクター、デボラ・H・グルーエンフェルドはそう指摘する。一部のメンバーが互いにいがみ合っていたり、わだかまりを抱えていたりするのに、リーダーがそれを放置してきたために、メンバーがリーダーを信頼しなくなることもある。

「一般に、メンバーは自分の意見を聞いてもらえなかったと感じたときや不公正だと思うことが起きたとき、不満のサインを示し始める」

こう指摘するのは、ニューヨーク市に本社を置く幹部コーチング会社、ヘンデル・グループの教育部門の社長で、MITの講座「人生設計」の共同作成者、ガブリエラ・ジョーダンだ。不満の理由が何であれ、リーダーは次の手法をとることで、信頼と関係を取り戻すことができる。