プレゼンターが心がけるべき3つの姿勢

1つ目は、「熱意」です。

上に述べた通りで、あなたはその悩みの深さを理解し、同調し、その中で一生懸命考えてきましたという態度を持ってこそ、初めて相手の共感が得られます。

2つ目は、「プロフェッショナル性」です。

依頼主があなたやあなたの会社に頼んでくる理由の一つとして、自分たちにはないノウハウや経験で、悩みを解決してくれるかもしれないという期待があります。社内で誰かに何か頼まれるのも同じことでしょう。少しでもそれに応える部分や態度が示せると、あなたに対する相手の信用度が増します。

3つ目は、適度な「謙虚さ」です。

いくら自分たちがプロフェッショナルだとしても、常に上から目線で応対していては共感は得られません。お医者さんもそうですよね。患者の立場に立って親身に相談に乗り診療をすることで、患者は安心して診断を受け入れます。

答えを肝心な場面まで見せない

相手の一番聞きたいところも戦略とそれに基づく「施策」でしょう。

そうなると、そこに辿り着くまでにいかに相手を飽きさせず盛り上げるかがプレゼンの一つのカギになります。

具体的には、現状分析から課題の設定に向けて徐々に読み解いていき、戦略に辿り着くわけですが、その途中で戦略が容易にバレてしまうとなるとプレゼンの効果は半減します。

ですので、プレゼン中は戦略の部分で使うキーワードなどを、その前の段階で決して見せないように工夫します。

よくある悪いケースですが、プレゼン直前の挨拶時に、上司自らいかに自分たちがよく考えてうまい提案に仕立て上げたかを話し、勢い余って聞き手に今回の根底になる考え方やキーワードを口を滑らせて言ってしまうことがあります。

そうなってしまっては、プレゼン時に再びその箇所を熱くしゃべっても、相手にインパクトを与えることはできません。

相手のワクワク感を維持するためのちょっとしたティップスは、肝心な場面まで答えを見せないことです。

会議室で話すスーツの男性
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです