昨年11月、東京都町田市の小学校で、小6の女の子がいじめを苦に自殺した。遺族は同級生から「どうして学校に来ないの?」と聞かれたが、校長から「子供たちに影響がある」とクギを刺され、亡くなったことを伝えられずにいた。遺族は学校の対応を待っていたが、徐々に校長は「いじめはなかった」という態度を示すようになる。告発スクープ第3弾――。
2020年11月30日、小学6年生で自ら命を絶った山根詩織さん(仮名)
筆者撮影
2020年11月30日、小学6年生で自ら命を絶った山根詩織さん(仮名)

「絶縁ドッキリ」「彼氏ドッキリ」「自殺ドッキリ」

12月25日(金)の夕方、週一回の恒例である「聴き取り調査の結果報告」を聞きに、山根夫妻(仮名)は校長室を訪れた。

その席で、前日にA校長から電話で説明があったとおり、「ハングアウトでA子とB子が詩織さん(仮名)の悪口を書いていたことは事実だが、なぜか履歴が消えていた」と説明を受けた。さらに「“○○ドッキリ”が、A子とB子によってたびたび行われていた」という報告を受ける。

“○○ドッキリ”とは、A子とB子が計画した詩織さんへの悪質ないたずらだ。

仲良くしているなかで突然、絶縁を伝えて無視をする「絶縁ドッキリ」。詩織さんには好きな男の子がいたが、その人は自分と付き合っているから近づくな、周りの友達にもみんな彼がいて、彼がいないのは詩織さんだけだという嘘を伝える「彼氏ドッキリ」。A子が学校では禁止のエクステ(髪につける付け毛のアクセサリー)を持ってきて、詩織さんに「大切なものだから預かって」と渡したあと、A子がそれをこっそり取り出して隠したうえで「詩織がなくした」と責める「エクステドッキリ」。いずれも嘘で、数日~数週間時間を空けてから「ドッキリでした」と伝えるという悪趣味なものだ。

筆者がとりわけ残酷だと感じたのは、B子による「自殺ドッキリ」だ。これは遺族が同級生から聞いたもので、給食中にB子が詩織さんに「自殺したい」「自殺するほどつらいことがあるから、自殺の方法を考えてほしい」と相談を持ち掛けるというもの。同じ班で給食を食べていた同級生の男の子がその話を聞いていた。詩織さんは、相談を真に受けて心を痛めていたという。