40、50代で始めた人は20年後から順次売却するのが吉

最後に、つみたてNISAを40代で始めたケースですが、これはだいぶ分かりやすく、仮に44歳で積立した分は63歳で非課税期間が終了するので、課税口座に移った分から順次売却していくのがいいでしょう。

小林亮平『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』(KADOKAWA)
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つまり、課税口座へ移管後に運用を継続する選択肢は取らずに、非課税期間の終了と共に都度売却して、老後資金に充てていく出口戦略がシンプルで実行しやすいかと思います。

ただ非課税期間の終了時期が比較的高齢のため、一度暴落すると回復まで時間がかかる可能性もあり、場合によっては、運用期間10年程度など、非課税期間が終了する前にある程度利益が出ていれば売却する選択肢も考えておくといいかもしれません。

もしくは、40代で始めた人が、住宅資金などで大きな資金が必要になった場合は、これも20年を待たずに売ってよろしいかと思います。ただし、そもそも論として、向こう5年くらい先までに使う予定があるお金は、投資に回さずに貯金として置いておくことをおすすめします。

積み立てた資金で不動産を購入するイメージ
写真=iStock.com/MonthiraYodtiwong
※写真はイメージです

投資はあくまで、長い時間をかけてゆっくり行うものなので、しばらく使う予定が無い余裕資金で行うようにしましょう。

50代からつみたてNISAを始めた方も、基本的な方針はこの40代のケースと同様でよろしいかと思うので、参考になれば幸いです。

足元の利益に左右されず、ゆったりした構えを

いかがだったでしょうか。今回ご紹介した出口戦略は、あくまで私の一案なので、自分ならどうするかはぜひ一度考えてみて下さい。

ただし、20年後の自分がどうなっているかなんて分からないという方も多いと思います。なので、非課税期間の終了後も運用を続けるか、もしくは売却して現金化するかなどの選択肢を用意しておいて、実際に非課税期間の終了が近づいてきたら、出口戦略については再度考えてみるのがいいでしょう。

つみたてNISAは将来の自分に向けたタイムカプセルだと思って、足元の利益がちょっと出たとしても、安易にすぐ売ってしまわないように気を付けて下さい。

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