なぜ児童たちは被害を相談しないのか

児童らは親に言ったら失望される、自分が怒られるだけと思い込み、相談できないケースが多いという。また、「裸の画像のやり取りはいけないことなんじゃないか」という漠然とした認識を持っていても「写真を送った自分が悪く、逮捕されるんじゃないか」と不安を抱き、ふさぎ込んでしまうケースや、警察に相談に行けば「学校にバラされるんじゃないか、内申に響くのでは」と周囲に発覚することを心配し、周囲に話すことなく一人でどうにか対処しようとしてしまう。

その心理を熟知している加害者は、画像の拡散をにおわせるだけでなく、「親に送りつけようか」という脅しを加え、児童たちを追い込んでいくのだ。

被害を防ぐために行うこと

こうした被害を防ぐため、保護者はどうすればいいのか。

「SNSを利用する際に、画像などの個人情報を見知らぬ他人に流してはいけない」

これが一番有効な方法であるのは間違いない。だが、他人とつながりたいと思うのは人間の本質的な欲求である。さらに児童にとってもスマホは日常生活に不可欠なツールだ。スマホやアプリのフィルタリング機能を使うという方法もあるが、設定を変更されてしまう恐れもある。

大事なのは、親子間で相談できる環境を整えることだ。そのために、まずは以下の3点を子供に伝えてみてほしい。

・ 性的なことに興味があるのは自然なことで、悪いことじゃない。でも性的に嫌なことをされたらそれは性暴力だから、相談していい。
・ 大人は子供を性的な対象として扱うことは許されないこと。
・ 東京都の条例や児童ポルノ禁止法は子供を守る観点から作られており、裸の画像を要求したり送らせる行為は犯罪で、子供は責められる立場にないこと。

上記の3点を伝えるだけでも、親に相談しやすくなり、被害防止になる。実際、「ぱっぷす」でも以上のことを伝えた結果、被害者が納得して、親と一緒に警察に行ったケースがあったという。もし実際に画像を送ってしまったと相談されたとき、こどもは既に自分を十分に責めている。どうか責めずに話を聞いてほしい。

どんな状況でも、困りごとをいつでも相談できる。わが子を守るには、親がそうした「保護者」として存在することがなによりも重要だ。

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