いつまでもかなわない脱毛の無限ループ……

筆者が腕の毛をそのままにした状態で、夏に半袖を着ている時のことです。

知人の日本人男性は「中学生ぐらいの女の子だと、そういう子(処理していない子)たまにいるよね」と、筆者の腕を眺めながら話すのです。

「そんなの気にしなければいい」――それはその通りなのですが、筆者のように「日本のツルツルに洗脳されてたまるか」という強い意志をもっていても、やはり精神的にちょっと弱った瞬間にそういった「指摘」をされると、意外とこたえるものです。

そんなこんなで、筆者も根負けしてしまいました。2年ほど前の冬、ついに腕の永久脱毛をすべくサロンに通い始めました。ところが一冬ひとふゆで毛がなくなるはずが、今も完全には無くならず、今もたびたび腕の毛の照射のためにサロンを訪れています。

そうやってせっせとサロン通いをし、定期的に財布からお金が出ていっても、結果はあくまでも「毛が減ること」または「毛がなくなること」だけですから、筆者としてはあまり達成感がないのです。

でもここで脱毛をストップしてしまうと、かえって残った腕の毛が目立ってしまいます。大袈裟かもしれませんが、なんだかいつまでもかなわない脱毛の「無限ループ」に入ってしまったような気になることもあります。きっと筆者はどこかで「脱毛をしなくてはいけない」ということに納得していないのでしょう。

ドイツでは「ワキ毛とノースリーブ」はマナー違反ではない

ドイツで育った筆者には、やはり心のどこかで「毛が生えていてもマナー違反ではないはず」と思いたい気持ちがあるのです。

念のために言っておくと、ドイツでも近年、ワキ毛を処理する女性は増えました。ただし日本のような医療用レーザーを使った「永久脱毛」は、ドイツでは値段が高いこともありあまり浸透していません。ワックスなどを使って定期的に毛を処理するのが一般的です。

日本との決定的な違いは、ドイツではワキ毛を処理している女性が増えてきてはいるものの、ワキ毛を処理せずにノースリーブを着ていたとしてもマナー違反にはならないことです。

バスルームで朝のスキンケアをするワキ毛の生えた女性
写真=iStock.com/LeoPatrizi
※写真はイメージです

たしかにドイツでワキ毛を処理しないまま電車などに乗れば、ファッションに敏感な人や若い世代など「処理している人たち」から「処理すればいいのに……」と言いたげな視線を感じることもあるでしょう。

でも日本のように、周りが「なんだかヤバイものを見てしまった……」という深刻な雰囲気になることはありません。実際にドイツのオフィスや公共交通機関でも、ノースリーブを着ながらもワキの毛が生えている女性は見かけるのです。