築いたネットワークがビジネスパーソンの財産になる

(2)情報発信力と広い人脈を持ち、業界では知られた人

その人が転職するというだけで、話題になる人がいます。顕著な例が、業界の中では知られた存在になっている人です。その人にはいつも情報がついてまわり、動きがあるとすぐにネット上で情報が拡散します。

彼らがそうなるのは、SNSで絶えず情報発信しているからです。ネットワークでつながった人たちや部下たちがその後ろに大勢控えており、その人についていくビジネスパーソンや顧客がいます。人を集める力を持つ人物は、人材紹介会社の費用を支払わずに済みます。

SNSで情報発信力を持つ人は、広範囲に人脈をつくり、それが彼らの資産になっています。そんな人たちを採用する企業もその影響力を熟知しており、キーマンを採用してその人脈を活用しようと考えているようです。

LinkedInに代表されるビジネスSNSで日頃から人的なネットワークをつくっておくことが、その人の価値を高めることにつながる代表的な事例です。

インターナショナルな職場風景
写真=iStock.com/TakakoWatanabe
※写真はイメージです
(3)専門性と英語力を掛け合わせることができる人

単に英語ができるというだけでは強みにはなりませんが、専門性を磨いた上で、英語力を備えていれば高く売れる人材になれるケースが増えます。独自の専門性を持ち、そこに英語力を掛け合わせる(英語×専門性)と手にする報酬は高くなります。英語は掛け算になるわけです。

例えば広告会社からGAFAの1社に転職し、スキルは変わらないのに給与が約1.5倍になった例や、英語力と専門性を備えていたことで複数社から内定をもらい、年収が吊り上がった例もあります。

年収400万円から1000万円に…

サービス業界の日系企業の営業職から外資系IT企業の営業職に転職した人の事例では、前職は400万でしたが、入社3年目には成功報酬を加えると年俸が1000万円に届いた人もいます。専門性を備えていれば、やはり英語は力になるようです。

英語力を強化するために自己投資した資金は、後で回収することができることを念頭に入れておくとよいと思います。

専門性とはいっても、バックオフィスの仕事や生産性の低い仕事は、オフショアの組織に外注されていき、いずれ社内の仕事ではなくなっていきます。将来有望な専門性を特定する先見性がここで必要になってきます。

(4)変化に柔軟で、キャッチアップできる人

ある外資系広告テクノロジー企業で働くAさんは、課題認識から課題解決に結びつく行動まで、必要とされる一連のプロセスにおいて的確に動ける人材でした。

変化の速いマーケットで、企業方針の転換による就業環境の変化にも柔軟に対応し、新しい情報を取り込む能力にも長けていました。そうした素養が幸いして好条件の転職に成功し、その後マネジャーに昇進しています。

転職後もデータをうまく活用して仕事に取組み、成果を出すという取組み姿勢は、リモートワークになってからも高く評価されています。