私は間違ったやり方で解雇されたと思っています。「正しい解雇の仕方」について教えてください。匿名希望(テキサス州)


 

ビジネスの世界では、ひどく苦い思いをさせないように社員を辞めさせることはきわめて稀で、それが可能なことだとはとうてい思えないほどです。でも、それは可能です。

ただし、そのためには、マネジャーが解雇という辛いプロセスの最初から最後まで、辛抱強くつきあう必要があるのです。正しい解雇の仕方の半分は、さよならを告げてからすぐには立ち去らないことだからです。残りの半分は、そもそもその言葉が決して不意打ちにならないようにすることです。

念のためお断りしておきますが、ここでお話ししているのは会社の基本方針(GEで言うインテグリティ)に違反したことによる解雇のことではなく、パフォーマンスが低いことで社員を辞めさせる場合のことです。

組織内の不安要素をできるだけ小さくしておきたい典型的な多忙なマネジャー、ボブと、ここ数年何となくパフォーマンスが低い善良な部下、リチャードの例を考えてみましょう。リチャードはいくつもミスを重ね、ボブはついに彼を解雇したいと思うようになります。ボブはその決断に数週間もの間苦しみ、その間リチャードは相変わらずとろとろと仕事をしています。ボブのぎこちない態度に気づいているかもしれませんが、わが身に関係のあることとは思っていません。ボブはついに我慢できなくなります。彼はリチャードを呼んで、解雇を言い渡します。

リチャードは不意打ちをくらって呆然としますが、その後、丸1日もしないうちに怒りと敵意を感じ始めます。ボブが言うべきことを言って久しぶりに爽快な気分になっている一方で、リチャードは時間とともに怒りを募らせます。会社相手に訴訟を起こしたり、内部告発したり、顧客企業に採用されて、その会社が突然取引を打ち切ってくるといった事態もありえます。ビジネスの世界では解雇に伴い、相反する感情サイクルが繰り返し起きます。解雇する側とされる側では感情のサイクルがまったく異なり、マネジャーがホッとする一方、「被害者」はそれ以外のあらゆる感情を抱きます。

では、マネジャーは何をすべきか。まず、解雇の通告が不意打ちにならないようにすることです。これは率直な業績評価を少なくとも年に2回行うことで容易に解決できます。どの社員も自分の位置をいつも知らされていなければなりません。それが「出口に近い位置」ならなおさらです。

あとは辛抱強くつきあうことだけです。これは解雇される人物の尊厳を守ることです。去っていく社員にその社員のスキルがもっと活かせる会社を見つけるための期間として6カ月与えます。その間、マネジャーはその社員を見捨てたような態度や表情を絶対に見せてはなりません。マネジャーがコーチになって、今後はどの方向にキャリアを伸ばしていけばよいか、また新しい就職先としてどのような会社が考えられるかを提案しなければなりません。彼らの退職をできるかぎり屈辱感のないものにするために、あらゆる方法で手助けする必要があるのです。