【森永】僕はガストがトクだって、あんまり感じない。やっぱりサイゼリヤだよ。だって、サイゼリヤのメニュー全部食べても、たぶん3万円かかんないよ。

【藤川】スケールメリットという意味では、マクドナルドは外せないですね。

【金子】無論です。全国3700店舗超のバイイングパワーは強烈です。マック、吉野家、セブン-イレブン。業界ナンバーワンシェアの企業は、基本的にCPが高いと考えていいでしょう。

【藤川】私は必ずしもそうは考えていないのです。特に外食産業を考えるとき、私が重視するのはタンパク質比率と生野菜比率です。マックはコスト当たりのタンパク質比率はたしかに高いですが、生野菜比率が極めて低い。パサパサのタマネギしか入っていません。サラダは契約農家の野菜でCPは高いと思いますが。生野菜比率が高いのは、なんといってもモスバーガーです。あの分厚いトマト!

【森永】でもね、クーポン使ったら、CP的にはマックの圧勝ですよ。マックの原田(泳幸会長兼社長)さんがすごいのは、クーポンをセグメンテーションしたこと。新聞の折り込み、パソコン、そして携帯でしょ。しかも、携帯のクーポンは見せるやつとおサイフケータイでピッてやるやつとふたつに分かれてる。期間限定だけど、おサイフケータイのクーポンには、マックポーク50円(通常、100円)なんてとんでもないメニューがある。全方位でクーポンをばらまくと消耗戦になっちゃうけど、折り込み広告で中高年を誘い込み、メニューの少ない激安の携帯クーポンで、金はないけどITリテラシーの高い若者を誘い込む。原田さんは天才だと思うな。