人事部が標的にするダメ正社員の3つの特徴

では、社内失業者とは、具体的にどんなタイプの人なのか。前出のエン・ジャパンの該当社員が発生する「要因」を質問しているが、その中に以下の3つが挙がっている。

・能力不足
・異動先や受け入れ先がない
・職場での人間関係が悪い

確かにこういう人たちには仕事を任せられないだろうなと思う。さらに余剰人員を掘り下げて、リストラされてもおかしくない人はどんなタイプなのか。筆者が2008年のリーマンショック不況以降、多くの人事担当者に聞いたことがある。共通するのは以下のタイプだ。

①チームワークに不向きな協調性のない社員(コミュニケーションが下手、責任回避型)
②ムダな仕事ばかりする非効率社員(残業時間が長く計画性がない、成長意欲がない)
③仕事より遊びが大事な「私生活重視社員」(遅刻が多い、仕事より飲み会が大事)

職場の仲間との協調性に乏しく、組織やチームワークの仕事に向かない社員は概して職場の人間関係も悪い。一見、仕事の成果とは関係ないと思うかもしれないが、どんな組織・職場でもチームで仕事をする。仲間との良好なコミュニケーションを保てない人は毛嫌いされる。

典型的なのが何かにつけて自分には責任はないのだと言い逃れをする責任回避型の社員はチームワークを乱す。

ビジネスマンの4つの手
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もともと問題のあった社員はコロナ禍で一掃される運命か

②の仕事はやっているようでも、ムダな仕事ばかりする非効率・非能率型社員はどこの職場でもいる。もちろん仕事に積極的かつ真剣に取り組んだ結果、他の人よりも効率が落ちるというのであれば、まだ見込みもあるが、このタイプの多くは仕事に対する「計画性がない」という特徴を持つ。

典型的なのが、朝早く来て夜遅くまで仕事をしている社員。仕事の質ではなく、時間と量で勝負しているような社員は残業規制が厳しくなっている今日では「ムダな残業をしている」と見なされやすい。

仕事の効率が悪い、時間がかかりすぎると周囲に指摘され、本人の自覚している人であれば、自分なりに考えて仕事のやり方を改善しようと思うもの。それができないということは「成長意欲がない人」と見なされてもしかたがないだろう。

③の典型的なタイプは遅刻が多く、早くても始業時間ギリギリに来る人、仕事が溜まっていてもその日のうちに処理しようとしないで職場の仲間と飲みに行くのを楽しみにしているような人だ。

本人は、会社はあくまでも生活の糧を得るための場所と割り切っているのかもしれないが、会社が最も恐れるのは後輩や部下に染まり、職場のモチベーションを低下させることだ。このタイプは今では少なくなっているかもしれないが、かつては典型的なリストラ要員だった。