朝ドラ主人公・古関裕而とはどんな人物なのか

「コロナ禍」で中止が決まった夏の全国高校野球大会、大会歌の「栄冠は君に輝く」は、NHK朝の連続テレビ小説「エール」主人公のモデルである昭和の大作曲家、古関裕而(1909-89)の作品だとはあまり知られてこなかった。

故郷・福島のJR福島駅の新幹線ホームの発車メロディーにも使われているこの曲には「甲子園の歌がなぜ福島で?」という問い合わせも多かった。

そんな知名度の低さを挽回させる「エール」は視聴率が連日20%越えと勢いに乗っており、関連の書籍や音源が相次いで発売され、売り上げが急上昇している。

ドラマは古関の長男、正裕さん(73)が書いた両親の書簡集『君はるか』がベースの一つになっている。正裕さんは、窪田正孝と二階堂ふみが演じる両親について「母はほぼ同じ明るいイメージ。父はちょっとひ弱すぎるかな」と苦笑いする。

音は「母のイメージ通りの明るい人」

「エール」初回の放送では窪田正孝が演じる古山裕一(古関裕而)は、1964年の東京五輪の開会式直前、自分が作曲した「オリンピック・マーチ」の出来に自信がなく、緊張してトイレに籠ってしまい、二階堂ふみ演じる妻の音(金子・1912-80)に励まされ出ていく様子が冒頭で紹介された。