[郷土料理] 鹿角

――小粋で肩肘張らず、味は本物。 秋田の美味を味わい尽くす

「女将が小粋で器もセンスがいいんです。お料理も旬の一番いい状態のものをあっさりと仕上げてくれるのね。それをお母さんにご飯やお鍋を作ってもらう感覚で安心して食べられる。年中かき氷があって私は必ず最後にそれとくるみ餅をいただきます」

●東京都港区西麻布1-15-16 TEL/03-3402-8212 営業時間/17:00~22:00(LO) 日曜、祝日休冬は要予約 喫煙可

昭和の名女優、故・沢村貞子さんのマネジャーだった山崎洋子さんが1993年に始めた店。店名は山崎さんの故郷である秋田県鹿角市からとった。ほとんどの食材を秋田から取り寄せている。3月末から4月にかけては山菜、5月は姫タケノコ、夏場は生ジュンサイと岩牡蠣、冬場には、大根を麹で漬け込んだ「なた割り漬け」、生のハタハタなど四季折々の秋田の食材が供される。

1.あきたこまちを使った「きりたんぽ鍋」(3300円)。比内鶏のつくね、白菜、ニラなどが入る味噌仕立ての鍋。セリの根まで食べるのが珍しい。
 2.餅の上に、くるみと砂糖だけで作るなめらかなあんをかけた「くるみ餅」(900円)。
 3.「稲庭うどん」(700円)。辛味の強い松館大根の汁を生醤油で割ったつゆにつけて食べる。刺激的な辛さが締めにぴったり。
 4.シンプルに網で焼いた「白マイタケの素焼き」(1200円)。左はセリのお浸し(800円)。日本酒は、秋田の「新政」「高清水」、店名の「鹿角」など。1合600~800円。

[ピッツェリア&カフェバー] カーニャ カーニャ

――愛犬家や家族連れで賑わう住宅街の人気イタリアン

「完熟柿を使ったソルベのように、小さな店だからできるものってあると思うんです。ここは食べ物に対するセンス、扱い方が超一流」。店名はイタリア語で雌犬の意。

●東京都大田区上池台1-8-6 TEL/03-3727-3085 営業時間/11:30~14:30(LO)、18:00~21:30(LO) 月曜休(祝日の場合は翌日) 土日祝は予約が確実。犬連れの方は来店前に電話を 喫煙可 ランチセット1000円、夜コース(プリフィクス)3150円

田辺隆康さんが脱サラして1999年5月にオープンしたイタリア料理店。店の運営、料理のノウハウは、すべて「バッボ・アンジェロ」のシェフ、アンジェロ・コッツォリーノ氏の直伝。妹の田辺泰子さんは、藤野さんの元アシスタントで、お菓子づくりの専門家。

1.「サルティンボッカ カーニャ風」(1680円)。牛肉と生ハムのロールステーキの上に、肉を覆うほどのオニオンソテーが添えてある。肉の旨味を吸ったオニオンソテーが美味。
 2.オニオンペーストを生地に塗り、アンチョビなどをトッピングしたピザ「ピサラディエール」(1260円)。藤野さんの好物のひとつ。
 3.ハーブとともにやわらかく蒸し上げた「蒸しダコのマリネ レモン風味」(1050円)。
 4.「富有柿と紅玉リンゴ 2色のソルベ」(525円)。フレッシュな果物をそのまま濃厚にしたような味わいとなめらかな舌触りが圧巻。
 5.多くの常連の心を虜にした「シャキシャキキャベツのアンチョビガーリックオイルサラダ」(735円)。

(構成=一志治夫 撮影=山田和幸)