AP Images=写真
写真を拡大
AP Images=写真

中国国家副主席 習近平(シー・ヂンピン)

1953年、中国・陜西省生まれ。15歳のときに農村へ下放される。79年清華大学卒。浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記などを経て2008年より現職。


 

ポスト胡錦濤・中国国家主席の最有力候補である。習仲勲元国家副首相の息子という血筋のよさと、浙江省など沿岸部地方の書記時代に見せた経済改革の剛腕ぶりがよく知られるところだが、実のところその政治家像はいまだはっきり見えない。

2007年の第17期党大会で、2階級特進の中央政治局常務委員となり、胡主席が側近とする李克強・副首相を差し置いて党内序列6位となった。そこには権力闘争の渦中にあって発揮されるバランス感覚、処世術のうまさがあるといわれている。

いわゆる「太子党(高級幹部の子弟)」で、上海市委書記も務めたこともあり、一般に胡氏と対立する江沢民前主席派(上海閥)の流れをくむといわれる。だが、今秋の第17期中央委員会第4回総会で中央軍事委員会副主席昇進の抜擢人事が見送られたのは、習氏自らが取り下げを望んだからともいわれている。胡氏と軍部、江氏との力関係をはかり、「昇進を急ぐより、ここは身を引き軋轢を避けたほうが得策」といった冷静な判断をするタイプらしい。

文化大革命で父が失脚し下放も経験。苦労人でもあり風貌はあか抜けないが、妻は軍所属の美人歌手、彭麗媛さん。一足さきに中国オペラ「木蘭詩篇」公演のために来日、皇太子殿下と並んで観劇したことが週刊誌で報道され、よくも悪くも習氏訪日の注目度をあげた。

鳩山由紀夫首相も小沢一郎民主党幹事長も李副首相との関係は深いが、習氏との接点はほとんどない。今回の副主席としての初の公式訪問で、鳩山政権としても本格的パイプづくりのスタートとなる。中国が日本を抜いてGDP2位となる日も近いが、未来の指導者が日本に対しどのようなバランス感覚を持っているのかまず見極めたいところだ。