「コロナショック」で京都観光が大ピンチ!

世界各国を覆う新型コロナウイルス・ショック(以下、コロナショック)による経済の減退には大変なものがある。なかでも最も大きな影響を受けているのは、観光産業だろう。

普段は通れないくらい人が溢れているが、今は閑散とする錦市場
普段は通れないくらい人が溢れているが、今は閑散とする錦市場(写真提供=筆者)

2003年以来、日本は国策として観光政策に力点を置き、とりわけ国際観光(インバウンド)の振興を本格化させてきた。数値目標を次々と達成し、2016年に発表した「インバウンド4000万人」「8兆円消費」に向けて爆走中だったが、ここにきて急激にブレーキがかかった。

とりわけ「観光バブル」と呼ぶにふさわしい状況だった京都の観光産業の凋落は著しい。3月10日に発表された京都市観光協会データ月報によれば、1月は平均客室単価、稼働率ともに前年を上回る好調な数字だったものの、2月以降の落ち込みに強い懸念が示されている。

 

宿泊激減、宴会皆無、ホテル経営の危機

コロナショック前から供給過多になり、年々稼働率と宿泊単価の下落が目立っていた京都市内のホテルには現在、倒産の危機を迎えている先が続出している。

市内唯一の宿泊系の上場企業である京都ホテルは3月10日、前年5月発表の2020年3月期(非連結)の業績予想について、純利益1億1100万円から純損失1億9200万円(前期は純利益1億7400万円)に下方修正。新型コロナウイルスの感染リスク拡大の影響で、4期ぶりに最終赤字に転落する見通しを示した。

2月に入り、宿泊はざっと4割減。宴会に至ってはキャンセルに次ぐキャンセルだ。

2月後半からの宴会自粛に伴い、ホテルにとって安定的な固定収入になるロータリークラブやライオンズクラブをはじめとする団体の定例会がほぼ全面的に中止。数少ない宴会もキャンセル続出だがキャンセル料も取れない。