家具も似たようなもので、一般的なレベルの整理ダンスやチェスト、食器棚などで、買い取り価格は2000円から5000円程度となるケースが多いとか。ベッドは人が使ったものには値がつかないこともあるようです。

ただ、家具でも高級ブランドものや、アンティークものは、買い取り価格が高くなります。なかでも骨董・工芸品的な価値がありそうな家具調度は、ほかのものとは別に、専門の業者に査定を依頼したほうがいいと思います。小道具には、思わぬ値がつくこともあります。

家電でも、オーディオの高級機器や古くても名機とされているものは、高い市場性があります。これも専門業者か、しっかりと査定のできる遺品整理業者に見てもらいましょう。

それから、家電・家具などの家財を処分するときは、タンス、食器棚、冷蔵庫などの中身は出しておくようにすると、追加の整理費用を請求されるなどのトラブルを、ある程度は避けられます。

納戸や戸袋など、収納に残されたものも見ておきましょう。ごくまれですが、床下収納に宝飾品が納められていたり、札束がぎっしり詰められた煎餅の空き缶が出てきた例が弊社でもありました。

遺品整理では、信頼のおける業者を選ぶことが大切

ともあれ、家財の処分で費用の上乗せが度重なる事態は避けたいもの。遺品整理では、信頼のおける業者を選ぶことが大切です。複数の業者から見積もりを取り、納得のいく業者を選びましょう。

5~6年前には捨てられていたレコードは近年人気が復活(写真左)。ごくまれに歴史的な遺品に出合うこともあるという(同右)。
(写真左)5~6年前には捨てられていたレコードは近年人気が復活(PIXTA=写真)。(同右)ごくまれに歴史的な遺品に出合うこともあるという。

遺族が扱いに戸惑う遺品に、故人のコレクションがあります。蔵書、レコード、ミニカーやプラモデル、鉄道グッズ、切手・古銭、陶磁器といったものです。なかには、カメラや車のビンテージもの、宝飾品といった高額で購入したと思われるものでも、見切りをつけて、あっさりと廃棄される方もいますが、故人が長年大切にしてきたものですから、大半の方はどうしたものかと迷われます。しかし、そうしたコレクションにも愛好家はいますから、市場性はあります。処分するつもりなら、その前に専門の業者に査定してもらったほうがいいと思います。

ただ、コレクションには、時代によって流行り廃りがあります。切手・古銭は、かつて収集ブームがありました。切手なら1948年の「見返り美人」に数万円の値がついた時期もあったようですが、今は数千円に下がっています。逆にレコードは、5~6年前までは値がつかず、廃棄されることが多かったのですが、今は人気が復活し、名盤・珍盤、希少盤が高値で取引されるようになっています。