誰でも!毎週10億円!もらえるキャペーン

20年2月10日~3月29日の7週を3つのステージに分けて開催する「誰でも!毎週10億円!もらえるキャペーン」では期間中7万円分のポイントを上限とした20%の還元を行う企画を打ち出した。これはau契約者以外も対象となっており、毎週10億円の還元を行うことで、還元が少なくなったことに不満を持つQR決済ユーザーを一気に奪うことを狙ったKDDIの判断が窺える。

ペイペイとの違いは、上限金額が2万円分多い、全額キャッシュバックがないなど細かな違いはあるが、何よりも大きな違いは、金券を販売している郵便局で利用可能という点である。

「au PAYで切手を購入して、その切手をすぐに金券ショップで換金し、還元ポイントだけを得る」という行為が容易に発想でき、行動に移せるため、ポイントを目当てにした決済が行われるのでは、という懸念も生じていた。キャンペーン初日の東京中央郵便局では、同一人物が何度もau PAYを利用して、窓口で切手を購入する光景を目撃した。確認できた範囲では少なくとも10人以上が何度も窓口に並び直し切手を購入しており、本来の窓口業務に支障をきたしていたようだった。

同日、都内の金券ショップでは切手の買取レートを10%以上も下げたり、買取拒否をする店舗が多数みられた。

切手だけがターゲットとなったわけではなく、売価と市場価格の乖離が小さいSIMフリー版iPhoneXSを販売しており、au PAYの使えるビックカメラ有楽町店では、朝から行列ができ、店側が行列を予想していなかったためか、店内で大混乱が起きた。

au PAY対象店舗となっていないヨドバシカメラでは、客も少なく、SIMフリー版iPhoneXSの在庫が潤沢にあったのを確認できたため、ビックカメラで起きた騒動はau PAYが要因と考えて差し支えないだろう。

その後、郵便局での利用はポイント付与対象外となったものの、キャンペーン第2週目も初日に還元上限10億円に達成したため早期終了となり、多くのユーザーがau PAYを利用したことが窺える。

大規模な還元施策が利用者の間口を広げることは、ペイペイにより実証された。KDDIはそれに乗った形だが、想定した本来の利用方法から逸脱した利用をするユーザーも多く存在した。このようなユーザーの呼び水となった今回の高還元企画は、果たしてQR決済普及につながったのだろうか。現状、QR決済は「決済方法として便利だから利用する」ではなく、「還元率が高いから」利用されているにすぎない感がある。QR決済の“覇者”が決まり、客をつなぎとめるために還元をする必要がなくなった後、QR決済という分野は存続できるのだろうか。

*その後、KDDIは2020年2月20日、2月24日より1日の上限を6000円分のポイントにすることを発表した。

(写真=時事通信フォト)
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