今年6月の完全失業率は5.4%となり、雇用情勢が一段と深刻さを増す中、7月に発表された2009年度の「年次経済財政報告」において、企業内失業者が過去最悪の607万人になったとの推計が明らかになった。

実際の“失業者”はもっと多い可能性も
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実際の“失業者”はもっと多い可能性も

完全失業者の定義は、「就業しておらずかつ就職活動をしている失業者」。社内の余剰人員となり、一時帰休などの措置を受けている人は「就業者」となるが、彼らは「隠れ失業者」とも呼ばれ、将来的に失業率を押し上げる。「隠れ失業者」が増加したのにはわけがある。昨年12月に休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の支給要件が大幅に緩和されたからだ。余剰人員を景気回復まで温存したい会社が、助成金を積極的に利用したわけだ。

だが、結局は人員整理に手をつけざるをえなくなった企業も増加している。日本総合研究所の山田久氏は、「失業率は過去最高の5.5%を超え、今年後半には6%台に達するのではないか」と話す。また山田氏は、現状を「1980年代の欧州の状況と類似」と指摘。当時、派遣規制の強化によって欧州企業は競争力を削がれ、雇用状況が厳しくなったという経緯があり、今後の日本の雇用情勢を危ぶむ。

さらにいえば、そもそもこの完全失業率には「非労働力」とされる専業主婦やニートは初めから除外されている。彼らの中には「働きたいけれど働けない」者も多いが、日本は世界的に見てこの非労働力の割合も高い。政府は「隠れ失業者」の“過剰な労働力”の受け皿づくりを急がねばならない。