金言73:「ほめる」ときは根拠を示せ!

間違って「おだてる」と成長を妨げる

多くの社長や上司は、「おだてる」と「ほめる」の区別ができていません。「おだてる」とは、相手のうれしがることを言って、得意にさせることです。これは、人の成長を妨げます。「ほめる」は、「何が、どうよかったのか」を具体的な根拠で示して、さらなる成長を促します。

小山昇『会社を絶対に潰さない社長の「金言」100』(プレジデント社)

「おだてる」は主観的、「ほめる」は具体的です。「頑張っているね」と声をかけるのは、「おだてる」です。なぜなら、「頑張っている」という言葉は、主観的な解釈ができるからです。声をかけられた人は、「こんな感じでやっていればいいんだ」と、物事を甘く考え、慢心します。

だから、ほめるときは、「具体的に、何が、どうよかったのか」を数字とともに伝えることが大切です。部下が商品を「10個」売ってきたとき、「前回が8個だったから、2個も増えた。よく頑張ったね。次は12個だね」と数字を入れてほめると、「次は12個を目標にしよう!」と、社員はやる気を出します。

また、ほめるときは、「過去の自分」と比較するのもいい方法です。部門の平均が「15個」としたら、「10個」は平均以下ですが、先月の売上が「8個」なら、「2個も増えている」と具体的にほめることができます。ここに着目するのが、一流の社長、一流の上司です。

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