「現場に混乱を招いておいて、責任は負わないのか」

30日付の見出しは「マラソンの札幌案 IOCも責任の一端負え」で、こう書き出す。

「現場に混乱を招いておいて、責任は負わないのか。東京五輪のマラソン・競歩について、国際オリンピック委員会(IOC)が示した札幌開催案は、課題が次々と指摘されている」

さらに、次のような手厳しい批判を繰り返す。

「費用負担をめぐり、東京都や大会組織委員会などが繰り広げる責任の押し付け合いにもIOCは頬かむりしており、腹立たしさを覚える。決定が遅れれば、迷惑を被るのは選手たちだ。夏の暑さばかりが取り上げられ、東京の印象まで悪くなりかねない」

筆致は興奮気味だ。そこが産経社説らしさともいえる。

「日本代表選手に、謝罪がないのはおかしい」

11月2日付の産経社説の見出しは「マラソンは札幌 一刻も早く準備にかかれ」となっているが、ここでもIOCを批判している。

「札幌開催で生じる余分な費用について、都は追加負担をしないことになった。当然である。『花形種目』のマラソンは、レースを通じて東京の街の魅力を世界に発信する好機でもあった。それを一方的な発表でほごにしたIOCは、費用負担の面でも相応の責任を負うべきである」

「一方的な発表でほごにしたIOC」「責任を負うべきである」との指摘や主張もうなずける。それだけに「札幌変更」が浮上した直後の時点で、IOCを酷評してほしかった。

「何より、新国立競技場で満場の観衆に迎えられてゴールすることを願う日本代表選手に、謝罪がないのはおかしい」

産経社説はIOCに対し、「日本代表選手に謝罪しろ」と求めているが、それだけでは不十分だ。

IOCは日本選手だけではなく、真夏の東京の街を走るためのトレーニングを重ねてきた世界各国の選手たちと、選手たちを応援しようと世界各国からやって来る観衆に頭を下げるべきだろう。

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