映画『この世界の片隅に』、ペダル付き電動バイク「glafit」、完全ワイヤレスイヤホン「Air by crazybaby」。これらに共通するのは、クラウドファンディングサイト「Makuake」を利用して世に出たこと。サービスを運営するマクアケは、サイバーエージェントの100%子会社だったが、2017年に本田圭佑氏や市川海老蔵氏も出資。同じタイミングで自らも出資してサラリーマン社長を卒業した中山社長を、田原総一朗が直撃した――。

弁護士事務所で見たキラキラした人たち

【田原】中山さんは、どんなご家庭で育ったのですか?

マクアケ社長 中山亮太郎氏

【中山】うちはサラリーマンがいない家系でした。曽祖父は山口で大工をしていて、祖父は林業を営んだ後、個人投資家に。父は山口から上京して、裸一貫から医学書の出版社を立ち上げて、いまも経営しています。もう40年近くやっています。

【田原】大学は慶応でした。

【中山】もともとは本気でサッカー選手になりたかったんです。でも、高校に入ってから全然ついていけなくなり、無理だと悟りました。ただ、普通に諦めるのは恥ずかしい。そこでサッカー選手を諦める言い訳として、「弁護士になりたい」と言い始めました。本当はどんな仕事かもよくわかっていなかったのですが、難しそうだから、そう言っておけばカッコがつくかなと(笑)。言った手前、とりあえず法学部に入らないといけません。弁護士の出身大学で多かったのが東大、早慶、中央など。結局、浪人して慶応に入学しました。