日本で造られるワインの評価が急速に高まっている。国際コンペで相次いで受賞するようになっているのだ。背景には日本産ブドウだけで造ったワインの品質向上がある。国も2018年10月に新しい法律を施行。日本産ブドウだけを使用して国内製造したワインを「日本ワイン」と呼べるようになった。こうした変化をワインメーカーはどう捉えているのか。メルシャンの長林道生社長に聞いた——。
メルシャンの長林道生社長
撮影=門間新弥
メルシャンの長林道生社長。手に持っているのは「椀子 オムニス 2015年」。

社長になって「こんなに受賞しているのか」と驚いた

——日本ワインの評価、特に海外での評価が高くなってきているそうですね。

そうなんですよ。私は今年3月にメルシャンの社長に就任したんですが、社長になって受賞の過去一覧を改めて見せられて、「こんなに受賞しているのか」と驚いたほどです。

昨年、中国・上海で初めて行われたワインコンペ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ チャイナ 2019」では、メルシャンの「シャトー・メルシャン 岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2017」が金賞を受賞しました。またロンドンで開催される権威あるコンペ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ 2019」では、「シャトー・メルシャン 北信左岸シャルドネ リヴァリス 2017」が金賞を受賞しています。

こうした動きはメルシャンだけではありません。日本ワインの評価は確実に上がっていると思います。