成果につながる「数値化→習慣化→可視化」のサイクル

忍耐力は「待つ」ことを「習慣化」させることで確実に体得できます。

筋トレはまず、トレーニングのメニューを決めるところから始めます。ベンチプレスの場合、「最大10回から12回挙げられる重量のものを3セット」というのが基本で、もし60キロバーベルを12回挙げるのが精いっぱいという人なら、「60キロを12回、10回、8回」と逓減させていくメニューを組みます。

このようなトレーニングを何週も続けていくと、そのうち60キロバーベルが軽く感じるようになり、やがて70キロを挙げられるようになります。そうなると、疲れや筋肉痛のつらさよりも、「もっと重いバーベルを上げてみたい」というモチベーションが上回り、いっそうトレーニングに熱が入ります。その結果、記録はさらにアップしていくのです。

重量と回数という具体的な数値が、やる気に火をつけトレーニングを習慣化し、3カ月後には筋肥大という可視化が待っています。

数値化→習慣化→可視化。このような「最後にご褒美が来る」感覚を知り、毎日のトレーニングに耐え続けていると、ある日、タイガー・ウッズばりに人生ランキングの飛躍的向上が期待できるのです。やはり日々の積み重ねに勝るものはありません。

やっぱり筋トレするしかない

立川談慶『老後は非マジメのすすめ』(春陽堂書店)

私はこの5年で10冊の本を出版しました。出版不況が叫ばれて久しい中、かくも依頼が相次ぐのはありがたいことですが、本を書くというのは重労働です。

そこで私はここでも、「面白い言葉を10万字連ねていけば、1冊の本になる!」というコツコツ精神で取り組んでいます。「1日1000字を100日書き続ければ本ができる」。こんな「待ち」の了見になったのは、やはり筋トレのおかげではないかと確信しています。

仕事が多い売れっ子はモテる、とよく言われます。「モテる人になるためには待てる人になること」。こんなシャレみたいな真理も、やはり筋トレから教わったことなのです。

(写真=EPA/時事通信フォト)
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