「国立病院や大学病院には多くの研修医がいますから、ベテランの医師ではなく研修医が担当になってしまう可能性も少なくありません」(伊藤氏)

大病院は将来の医師を育てる役割も担う。経験を積ませなければならないため、経験の少ない研修医が手術の担当になることもあるわけだ。では、どうすればいいのか。

「“かかりつけ医”を持つことですね」(伊藤氏)

症状を把握している、かかりつけ医に相談し、ベストな病院や医師を紹介してもらうほうがよほど確実だとか。かかりつけ医は国立、公立、私立、どこに属する医師でもなれる。一般的には規模の小さな私立病院・クリニックの内科医がなることが多いが、どの診療科でも問題ない。

「紹介を受けた医師は変な治療はできませんし、自分に紹介された患者を経験の浅い研修医に回すこともできないでしょう」(伊藤氏)

ただ、かかりつけ医は相性が大事。健康なうちに自分に合う“かかりつけ医”を見つけておきたい。

伊藤哲雄
医療総研代表取締役社長
日本医業経営コンサルタント協会副会長。編著書に『医療費の仕組みと基本がよ~くわかる本』(秀和システム)がある。
 

木村憲洋
神尾記念病院を経て、高崎健康福祉大学健康福祉学部准教授。共著書に『イラスト図解 医療費のしくみ 診療報酬と患者負担がわかる』。
 
(撮影=和田佳久、永井 浩 写真=iStock.com)
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