欧米の一流大学は日本の優秀な学生を欲しがっている

こうした実情を聞くと、日本の大学だけが旧態依然としているように感じてしまうが、実はアメリカも危機意識をもって改善した結果、今日のような教育・研究体制になったという。

世界大学ランキング3位スタンフォード大学(写真=iStock.com/alacatr)

「アメリカでもかつては名門大学を出てさえいれば一流企業に就職でき、優雅な生活が送れていた学歴重視の時代がありました。ところが日本やドイツなどの追い上げにあい、経済が停滞していた1990年代以降、大学で“何を学んだか”が問われるようになり、大学選びや大学での過ごし方が見直されるようになりました。日本も20年遅れで同じような変化が起きつつあると感じます」(市村氏)

自身も幼い子を持つ寺田氏は「東大や医学部を頂点とした、従来型のレールに乗せたいという親心は理解できる」としたうえで、「国内だけで完結する仕事は先細り。わが子に幅広いチャンスを与えたいと考えるなら、やはり海外で学ぶ経験は有力な選択肢の一つ。英語ができるだけで、職業の幅は世界中に広がりますから」と語る。

「アメリカのトップ大学にいる日本人学生はまだ非常に少なく、僕が日本に帰ると言うと『日本で配ってきて』と入学案内のパンフレットをどっさり持たされる(笑)。多様性を重視する大学側は日本人を歓迎しているのです」(大栗氏)

学歴や教育のあり方が転換点に差し掛かっている今、親子で進路について再検討することで、新しい人生の可能性が開けてくるかもしれない。