オタク、ヤンキー、トランプがチームを強くする

最近、さまざまな企業で「多様性」が重視されている。「ダイバーシティ」という横文字の言葉が使われることも多い。

トランプ大統領は注意散漫だが、政府のスタッフや世間の視野を広げてもいる。(EPA=時事=写真)

グローバル化や、法令遵守の精神なども関係していると思うが、ここまで多様性が重視されるようになってきた背景には、やはりインターネットや人工知能といった技術の発展があるのではないか。

仕事の本質はチームワークである。かつては、均質性こそがパフォーマンスの鍵と考えられていたが、文明が発展するにつれて、それが変わってきた。

会社も、多様な人材を集めて、その「集合知」でパフォーマンスを高めていく時代。その際にはできるだけ多様性があったほうがいい。人工知能やインターネットなどの技術がそれを可能にしている。

ところで、「多様性」といってもその内実は何か。個性は欠点と長所が表裏一体になったものであり、その全体を見極めなければならない。ユニークな個性を認識し、それを活かす能力を磨くことがこれからの時代は必要になる。脳の個性はさまざまあるが、その中でも「オタク」と「ヤンキー」は重要である。

「オタク」は、1つのことに集中する能力がある。例えばコンピュータのプログラムに没入して、常人ではできないようなことを成し遂げる。これがオタクの長所である。

しかしながら、オタクはコミュニケーションが苦手でもある。自分の作っているものを客観的な視点からアピールするのも不得意。営業や経営企画には向いていない。

それに対して、「ヤンキー」は生きものとして元気で、覇気がある。プログラムの仕様など、細かいことにはあまり関心がない。ただ、業績を上げて、たくさんお金を稼いでいい生活をしたいという欲望には忠実である。