歯周病の直接的な原因は歯垢であり、治療は、歯周ポケットに溜まった歯垢が固まってできた「歯石」を除去し、歯周ポケットから歯周病菌を取り除くことが中心になる。自覚症状はなくても、最低限、半年に1度は歯科医院を受診することが望ましい。しかし森永氏によれば歯周病は生活習慣病。治療を受けて終わりでは、再発は免れない。歯周病予防のため、必要なのは生活習慣の見直しだ。

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1つには食生活の改善である。清涼飲料水やジャンクフードなど、精製度の高い糖質を控えること。白米よりは玄米。肉や魚、大豆製品、野菜から、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取したい。そしてもちろん、適切な歯磨き習慣だ。毎食後、歯磨きをするのが理想だが、忙しい会社員はそうもいかない。森永氏がおすすめするのが、「最低1日1回は、歯垢をしっかり除去すること」。付着した歯垢が有害な作用を示すまでには丸1日以上かかる。その間に除去すればいいというわけだ。ただし、それは正しい磨き方ができてのこと。我流の歯磨きでは、どうしても磨き残しができるという。

「定期的に歯科医でチェックしてもらい、歯磨き指導を受けることをおすすめします。口の中の状態は人によって違いますし、器用不器用もあるので、個別指導が必要になる。『このあたりの歯に磨き残しができる』と、意識するだけでも違います」

歯がグラグラする、水を飲むとしみる、歯茎から出血するなど、わかりやすい症状が出るのは多くは40~50代になってから。しかし歯周病はそのはるか以前から静かに進行しているとか。早期にケアを始めたい。

歯周病菌が出した毒素が血流に乗って全身に
森永宏喜(もりなが・ひろき)
米国抗加齢医学会認定医
東北大学歯学部卒業。東京医科歯科大学口腔外科に勤務。1992年千葉県鋸南町に「森永歯科医院」を開業。著書に『全ての病気は「口の中」から!』(さくら舎)など。
(撮影=和田佳久 写真=iStock.com)
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