デビットカードを「夫の不倫発見ツール」に

このようにさまざまなデビットカードが登場しているが、デビットカードのもうひとつの特徴は、使った日時や金額がリアルタイムで確認できる点だ。クレジットカードの場合、利用履歴を確認できるまで数字のラグがあることが一般的だ。一方、デビットカードは即座に口座から引き落とされるので、日時と金額はすぐにわかる。カードによっては利用のたびにメールで通知する機能もある(ただし、ブランドデビットの場合、クレジットカードの仕組みを使っているため、決済した店舗や明細がわかるまでにクレジットカードと同程度の日数がかかってしまう)。

この機能を「夫の不倫発見ツール」として使っている人がいる。家計相談にきた30代女性のAさんは声をひそめてこう話した。

「先月から夫への月の小遣い(6万5000円)のうち5万円分を、私名義で作ったデビットカードに入れて渡すようにしたんです。私のスマホには専用のアプリが入っているので、夫がデビットカードで決済するたびに、利用情報が即時に通知されます。こうすれば浮気もすぐ発見できるかなと思って(笑)」

▼ホテルに入る前に「カップル」はコンビニでモノを買う

離婚案件を主に扱う知人の弁護士によると、不倫をする男性は、クレジットカードではなく現金を使うことが多いという。利用明細にデート時に利用したと思われるレストランやホテルなどの店名が記載されていれば、不倫の「証拠」になってしまう。妻に気づかれるリスクを減らすために、現金を使うのだという。

「用心して小遣い(現金)を使えば、浮気はバレにくいですよね。でも、小遣いを現金からデビットカードに切り替えれば、利用履歴を確認できるので、いざというときの“動かぬ証拠”になると思ったんです」(Aさん)

妻がスマホにデビットカードのアプリを入れておけば、リアルタイムに利用履歴が通知される。クレジットカードであれば履歴が通知されるまで時間がかかるので、領収書やレシートなどの「証拠」を処分したり、言い訳を考えたりする余裕ができる。だが、デビットカードでは即時に通知されるので、夫の行動を監視するうえでは便利だということだろう。

前述の弁護士によると、不倫カップルの多くは、ホテルへ入る前に、コンビニに立ち寄るのだそうだ。恐らく、ちょっとした買い物がてらホテルの支払いのために、ATMで現金を引き出すのだろう。ブランドデビットでは、キャッシュカードとデビットカードは別々に発行されることが多い。この場合、デビットカードでATMから現金を引き出すことはできない。たしかに小遣いを現金で渡すよりも、デビットカードで渡したほうが、妻は安心かもしれない。

興味深いことに、デビットカードを使っているのは男性が多い。インフキュリオンが発表した「2017年版 決済動向調査」によると、デビットカードの利用者は66.0%が男性だ。クレジットカードの利用者は男性が49.2%で、女性が50.8%であるのとは対照的だ。

家計を預かる妻が、ある月から夫の小遣いをデビットカードで渡すようになったら、なにか思惑があるかもしれない。無用な疑いをかけらないように、あらかじめ仕組みを理解しておいたほうがいいだろう。