これに対して中小法人の場合、法人所得(収益から費用・損失を引いた金額)800万円以下なら実効税率(事業税+法人住民税)が約28%、800万円超は同約37%ですむ。経費として処理できる費用も個人事業より多い。

一方で、デメリットもある。こちらも表に示したが、(3)については少し説明が必要だろう。事業が赤字なら法人税はゼロとなるが、法人住民税(の均等割り)は負担しなければならない。東京23区に事業所がある場合、資本金1000万円以下かつ従業員50人以下であれば7万円だ。1人で切り盛りする赤字法人でも7万円を支払う必要があるのだ。

石川さんは「所得が大きい場合には法人は節税効果が大きく、複数の法人設立という『クローン化』もできるので、検討の余地はあります」と語る。

なお、近年は緩和されたとはいえ、まだ「副業禁止」規程がある会社も多い。規程のある会社なら、気心の知れた上司に「自己啓発のためにサイドビジネスを始めました」と前向きな姿勢を示しつつ、報告しておいたほうがいいだろう。

(撮影=大杉和広)
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