「爆買い」「爆宿」という言葉ができるほど外国人観光客の増加がすさまじい。そこにサイドビジネスのチャンスがあるのではないか。儲けている人や専門家に実態を聞いてみた。

サラリーマンをしながらの副業といえば、空き時間にコンビニで働くような時給型を想像しがちだ。しかし、訪日観光客が激増し、ネット社会が進展する昨今、意外な形でサイドビジネスが成り立つ場合がある。

たとえば、外国からの観光客向けに外国語を使って街中をガイドする仕事がある。やはり外国人観光客向けに宿泊を提供するのが民泊ビジネスだ。いずれもネットを通じて、サービスを提供する個人が個人客の需要に応える仕組みである。ネットを介して、古くからある古本などの「せどり」ビジネスを始めた人もいる。

ネットの世界がここまで広がった背景には、IT技術者の働きがある。今はSE経験者だけではなく、一からプログラミングを学んだ主婦や会社員がWEBエンジニアとして自宅で仕事を請け負うことも珍しくはない。国際化とネット化の進展によって、実に面白い時代になったということができるだろう。

ビジネスチャンスは案外、いろいろなところに埋まっている。儲かったら法人化して、節税を考えるのもいい。そのメリットとデメリットについても検討した。

今回取材した中には副業を本業にしてしまい、「もうサラリーマンには戻れない!」と話す人もいた。めくるめく副業の世界を案内しよう。

電車で移動し、地元の街を案内

「この仕事では、何か一つ得意分野を持つといいですね。たとえば『新宿の街に詳しい』『ラーメンの食べ歩きが趣味』ということが強みになります」

訪日観光ビジネスアドバイザー  小田和尚氏

こう話すのは、訪日外国人相手の観光ガイドとして活躍する小田和尚さん(37歳)だ。小田さん自身は、外国人から「東京の街を案内してほしい」と頼まれると、自分の育った新宿区・曙橋や、子供時代に祖母と一緒に歩いた江東区・深川近辺を案内するという。

観光ガイドの1日は相手の宿泊先に迎えに行くことから始まる。そこから深川へ行く場合も電車で移動する。切符の買い方を教えて自動販売機で買う体験をしてもらうのだ。

「自分で切符が買えたら、外国の方はたいてい感動してくれます。最近の訪日外国人は日本の日常生活を知りたい人が多いので、電車移動はなかなか好評です」

小田さんはJR東海勤務を経て33歳で独立した。会社に不満はなかったが、明確な将来像も描けなかった。そんな時期に英会話教室に通い始め、そこで出会ったフィリピン人講師から語学以外のことも学んだ。