「会社」にするとこんなメリットが
副業でスタートして本業をしのぐ規模に育てた人もいる。もし事業規模が拡大すれば、青色申告や会社組織にすることも検討したい。
収入がガラス張りで税金や社会保険料を一律に控除されるサラリーマンとは違い、各種経費を積み上げることで可処分所得(使えるおカネ)が増やせるのが「プライベートカンパニー」だ。『いますぐプライベートカンパニーを作りなさい!』という著書もある投資家・石川貴康さんは、自らの体験を踏まえて「最初は個人事業主の白色申告で始め、事業が拡大したら青色申告にステップアップすればよい」とアドバイスする。
サラリーマンでも副業による一定の収入があれば、その事業を対象にプライベートカンパニー(株式会社などの法人だけではなく、個人事業主を含む)を設立することが可能だ。事業は何でもよいが、継続性があることが大切。都税事務所や県税事務所に「00企画」や「△△研究所」といった屋号を登録すれば、目的もより明確になる。
個人事業主は自分で収入や支出を計算して税務署に確定申告をしなければならない。その申告方法は「白色申告」「青色申告」の2種類があり、青色申告に必要な開業届と同時に行えば、一度の手続きで済む。
白色申告は、複式簿記での記帳が求められる青色申告に比べれば事務作業も少なくて済む。一方、青色申告にすれば、(1)65万円の特別控除、(2)赤字の場合は3年間繰り越し可能、(3)事業主の家族従業員(青色事業専従者)の給与を全額必要経費にできる、(4)自宅兼用オフィスの場合、家賃や光熱費の一部も経費とできる――など白色申告よりもメリットは大きい。
さらに事業が拡大したときに考えたいのが会社組織にする「法人化」だ。個人事業主のままでいることに比べて、表に示したようなメリットがある。
ただし、(2)で示した各種優遇策の恩恵を受けるには、ある程度稼いでいることが前提となる。たとえば個人事業の場合、課税所得(収入から経費その他を引いた金額)が1800万円を超えると所得税率は40%、4000万円を超えると同45%かかる。