読売社説は論理のすり替えだ
「通常国会閉幕 疑惑追及だけではもの足りない」。6月19日付読売新聞の社説の見出しだ。冒頭が「重要な法律の成立では成果があったが、疑惑の追及ばかりが目立ったのは物足りなかった」である。
やはり読売社説はどこか変だ。1強独裁の安倍晋三首相が力ずくで「共謀罪法」案の採決を強行したところに民主主義の根幹の問題があるのに、それを棚に上げて「物足りない」国会だという。論理のすり替えではないか。
対する朝日新聞は16日付の社説で共謀罪法の成立を「国会の歴史に重大な汚点を残しての制定である」と鋭く批判し、18日付で大きな1本社説を組み「国会の議論が空洞化してしまっている」と指摘する。
新聞ジャーナリズムには、反骨精神を持って権力を監視する役目がある。それがどうだろうか。読売は安倍政権擁護の御用新聞に成り下がっている。新聞ジャーナリズムの大きな危機である。
日経でさえ「あまりに強引すぎる」と批判
さて今回は18日に閉幕した国会について各新聞の社説を見ていこう。興味深いのが16日付の日経新聞の社説だ。「最後は多数決で決めるのが国会のルールには違いない」と書き出し、「しかし与党の都合で法案審議の手続きを一部省略し、早期成立にこだわるような手法はあまりに強引すぎる」と手厳しく批判する。
保守的で企業や財界よりの日経が社説でここまで書く。それゆえおもしろいのである。
日経社説は「過去にも委員会採決を経ずに衆参の本会議で採決をした例はある。だがそれは野党が委員長ポストを握っていたり、各党が個々の議員に本会議採決での賛否を委ねたりするケースだった。与党が議事運営の主導権を確保していながら、審議の手続きを省略したのはどう考えてもおかしい」と今回の自民党の参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」という手続きを使い、参院本会議で採決して共謀罪法を成立させた経緯のおかしさを明らかにしている。
社説の最後は「政府は今後も閉会中審査などに応じ、さまざまな疑問に丁寧に答えていく必要がある」と締めくくっているが、全くその通りでる。