オフィスの借主は住宅ほど保護されない

オフィスや店舗の賃貸で起こりがちなトラブルと、その対処法を紹介しよう。

まず法律の枠組みを押さえておきたい。居住用・事業用にかかわらず、賃貸借契約は民法や借地借家法、区分所有法の範囲で結ばれなければいけない。

ただ、居住用の場合、それらの法律に加えて消費者契約法で借主が保護されている。裏を返すと、事業用は消費者契約法の適用を受けず、借主の保護が薄くなる。

具体的に居住用と比べて保護のレベルはどう違うか。不動産トラブルに詳しい池田辰也弁護士は次のように解説する。

「居住用の場合、消費者契約法により、借主に過度の原状回復義務を課す契約は無効になります。たとえば自然損耗等についての原状回復義務を契約で合意していたとしても、応じる必要はありません。一方、事業用は、同様の合意が有効であると判断される余地があります」