心のマネジメントと英語のスキル
【三宅義和・イーオン社長】辻秀一先生は、英語の学習とご機嫌を保つ「Flow」のためのトレーニングは似ているとおっしゃいます。どちらもトレーニングを毎日続けないと元に戻ってしまう。ご指摘の通りなのですが、そのことを私たちは意外と忘れがちです。
【辻秀一・スポーツドクター】人間は安易に流れるのです。「英語は大事だ」と思っていても、学校も会社も日本語で通じてしまうので、僕たちは日々、日本語の脳しか使っていないわけです。「英語は必要ですか」と聞かれたら、「必要だ」と答えるものの、では今日は英語で何か話したかというと、おそらくほとんどの人は英語を使っていません。
これとすごく似ているのが「機嫌が悪いより、ご機嫌なほうがいい」と、みんな思っているのに、そうなる努力をしないことです。あたかも日々の生活が日本語で間に合う状況と一緒なんです。その際の言い訳が、難しい、無理、忙しいという3つです。
しかし、来週、ニューヨークで講演をするとなれば、絶対に練習に力が入ります。あるいは、オフィスに戻ったら、秘書が英語しか話さなかったらどうでしょう。僕のビジネス面での英語の価値がぐっと高まる。このように、自分にとってのバリューが上がれば、英語もメンタルも、しっかり練習しなきゃいけないと考えるはずです。
【三宅】そのためには英語を話せることで、すごく楽しい経験をした、あるいは、朝から機嫌がよいことによって1日がよくなったといった実感、経験が大事ですよね。
【辻】大事ですね。それと価値の高い人と会うこと。例えば、僕が下手クソな英語でもしゃべろうとしたときに、「OK、ではここから英語をなるべく使いましょう」と同じように、「できれば機嫌よくやろう」と励ましてくれるような価値の高い人と、どれだけ触れ合えるかだと思うのです。
【三宅】英会話スクールにしても、非常に楽しく学べれば、上達も早い。
【辻】英語を話す、気分も爽快。心地よい状態で、また英語にも触れる。当然、能率も上がるし、頭に入ってくるし、コミュニケーションも楽しくなるという好循環になるんですね。英語の学習と「Flow」のためのトレーニングは似ているし、相乗効果も大きい。
【三宅】ぜひそういうスクールにしていきたいと思います。
【辻】世の中の流れは、間違いなくグローバル化に進んでいます。と同時に、現代は心の時代でもあります。そこを生き抜くために必要なのが、心のマネジメントのためのライフスキルと英語のスキルだと僕は考えます。心をマネジメントできて、どこへ行っても英語が通じる。この2つがしっかりとしていれば、世界に出ても臆することはありません。