「上司と話すときはいつも緊張してしまう」(28歳・通信)、「後輩になめられたくないと思うと、何を話せばいいかわからなくなる」(43歳・金融)というように、近くて遠い関係である上司・部下の雑談には、ある種の壁があるようだ。

【アンケート概要】リサーチプラスにて20~50代のビジネスマン300人にアンケートを実施。2016年3月11~15日。

一緒に遊び、泊めるバリ大富豪の教え

五十嵐氏は、ソニー・プルデンシャル生命保険初代名誉会長のロバート・A・ベック氏の言葉を引用する。「尊敬され、愛されよ。両方は無理なら、まず尊敬されよ」。

「私自身、そうでありたいという気持ちは常にあります。だから、『こんな問題があって困っている』と後輩から相談されればアドバイスをしますし、自分から話しかけてこないタイプの後輩には、抱えている問題がないか確認する意味で、『困っていることはない?』と話しかけたりもします。とはいえ、日頃からの信頼関係や、ある程度の気安さがないと、困ったときの相談相手には選ばれません。そのための基礎として、他愛のない雑談を通してコミュニケーションをとることは必要でしょう」

いっぽう、マイケル氏は「好かれようと思ったことは一度もない」としながらも、部下をチームメンバーとして対等に扱うことの大切さを強調する。

「私はこれまで、自分の会社の人間を『従業員』と呼んだことは一度もありません。同じ目標を掲げて働くチームメンバーだと思っています。私が先頭に立つ『リーダー』ではありますが、『ボス』ではない。それを理解していれば、偉そうな態度をとるのはおかしいし、部下や後輩の前でカッコをつけたり、自分を取り繕ったりするのもおかしいとわかるはずです。仕事上のミスなど、注意すべき場面はたしかにありますが、問題が起きてもすぐには手も口も出さず、部下が自分で解決するチャンスを与えること。そのうえで、うまくいかなかったときは叱りつけずに責任をとってやること。何を語るかより、リーダーとしての姿勢のほうが重要ではないでしょうか」

一風変わった方法で部下とのコミュニケーションを図るのは嶋氏だ。なんと、毎月ホームパーティを開いているというのだ。

「ホームパーティを開くきっかけになったのは、バリに住む日本の大富豪・丸尾孝俊さんとの交流です。彼から、部下と上司の壁を越えるためには、どれだけ一緒に時間を過ごせるか、どれだけ一緒に遊べるかが大事だと教えられたんです。相手を自分の家に泊めて、安いカップ酒でもいいから楽しく飲めば、居酒屋に行くよりよっぽど深い、打ち解けた話ができると。それに共感して、1年ほど前から社員を呼んでホームパーティをしています。仕事ではあまり関われない新入社員を幹事にすることで、半強制的に交流を持つことができますし、スエット姿の私を見れば、彼らも『社長だ』と萎縮する気持ちがなくなるはずです。交流が目的なので、極力仕事の話はしないことにしています。するとしても、成功談ではなく失敗談。成功談は結局は話して気持ちいいが自慢話です。失敗からいかに巻き返したかという話のほうが、よほど彼らのためになりますから」

・ひどい失敗談を話す【
・輝かしい成功体験を話す【×
ソニー生命保険 トップセールス 五十嵐冬樹
東京中央ライフプランナーセンター第四支社エグゼクティブ ライフプランナー。ファイナンシャルプランナー、相続マイスターなどの資格も持つ。
 
香港経済士学会 会長 マイケル・オン
シンガポール出身。香港、中国での豊富なビジネス経験を持つ投資家・実業家。スキンケアブランド「TCM+」を展開するMiLOCグループCEO。
 
アイランド・ブレイン代表取締役社長 嶋 基裕
「世界で一番頼りになる営業支援会社」を目指し、55業種・1200社以上の営業・販路開拓をサポートする営業支援事業を行う。商談実績は4万件近く。