▼タイプ2:突発的に勤務先からお呼びがかかる男性(医者などの専門職、職人など)

「先生、急患です!」形成外科医・マサルさんのスマホに連絡が入った。

――ああ、今日もまたデートはお預けだな。

マサルさんは恋人のユミさんにLINEでメッセージ送った。12月17日土曜日午後1時。デートの待ち合わせ2時間前だ。「ごめん、急に病院に行かなくちゃいけなくなった。今日のデートは無理」

ユミさんからメッセージがすぐに帰ってきた。「今月だけでドタキャン2回めだよ。今度いつ会えるの?」

――わからない。12月は急患が多い。今月残りの土日は全部出勤だ。

マサルさんは、返事をせずに勤務先の病院に向かった。一仕事終えたら、時計は深夜を回っていた。クタクタになって家にたどり着き、やっとLINEに目を落とすと「もう終わりにしましょう」と別れのメッセージが入っていた。「なんだよ! 俺だって好きでドタキャンしてるわけじゃねーんだよ!」スマホをベッドに投げつけても、時すでに遅し。

マサルさんの何がいけなかったのか。「今度いつ会えるの?」に即答できなかったところだ。今月はもう土日に休みがないため、ちゃんとしたデートは難しい。マサルさんはドタキャンの後ろめたさと彼女に気を遣うあまり、平日デートを提案できなかった。これが敗因だ。

この場合は、「代わりに週明け月曜日か火曜日に夜ご飯だけでも一緒に食べられない? その後、病院に戻らなきゃいけなくて申し訳ないんだけど、おいしいところに連れて行ってあげるから」とすぐに返事をしなければいけなかったのだ。埋め合わせは”速攻”がポイントなのだ。

もちろん、ドタキャンの埋め合わせなので、その辺の居酒屋やファミレスではダメだ。目安は、「SNSで美しいお食事や夜景の写真をアップできる場所かどうか」である。クリスマスのリア充ぶりを、女性たちはこぞってアピールしたがる。彼女がSNSでアピールしない人だとしても、アピールもできないような場所に雑に連れて行けば嫌われるだけだ。高くつくかもしれないが、彼女の心を永遠に取り戻せないよりマシである。

デートより仕事を優先しなければならない立場であることを、恋人にわかってほしいという気持ちは当然だ。しかし、どうしても失いたくない相手ならば、自分から歩み寄りの姿勢を見せることも必要だ。