就任後100日間の「ハネムーン期間」を終えても高支持率をキープする小池百合子都知事。都民、国民の約8割の期待を背に豊洲市場移転問題や2020年東京五輪・パラリンピック予算見直し問題などに次々と切り込み、敵対する自民党東京都連はすっかり混乱状態だ。しかし、虎視眈々と「逆襲」を狙う人物がいる。いまや「影の宰相」として権力を手中におさめる菅義偉官房長官だ。7月の都知事選で増田寛也元総務相の擁立を主導し、小池氏の当選を全力で潰しにかかった首相官邸。その次の一手が明らかになった。

菅氏の「小池憎し」は12年の自民党総裁選に端を発する。安倍晋三首相の再起を目指した菅氏らは、小池氏が石破茂元防衛相を推したことを「裏切り」と受け取った。政権奪還を果たし、官房長官に就いた菅氏はその後も小池氏を要職から遠ざけ続けた。逆らう者を徹底的に干す恐怖政治は「ポスト安倍」の芽をつむには抜群の効果だ。

菅氏率いる首相官邸は、小池氏の都知事選出馬を察知すると「絶対に恥をかかせてやる」(官邸関係者)と徹底抗戦の構えを見せ、桜井俊前総務次官の擁立に失敗すると、増田寛也氏を強引に担ぎ出した。増田氏の個人演説会では菅氏が前面に立ち「劇場型の人に大事な都政を託すことができるのか」と小池氏を批判。官房長官という立場を忘れさせるほどの力の入れようだった。

小池氏に大惨敗した菅氏は「政府として、国民のために(小池氏との)連携は必要だ」と強調し、民意を受け入れたとされたものの実態は異なるようだ。来年1月に任期満了を迎えるNHK会長の選考で、「逆襲」を意味する人物を推すとされるためだ。籾井勝人会長の後任に首相官邸が推そうとしているのは、小池氏に敗北した増田氏で、「都知事選に担ぎ出したお詫びとばかりに、菅氏が主導している」(政府関係者)とされる。菅氏と太いパイプを持つ増田氏をNHK会長に就け、NHKと官邸の関係をより強固にする狙いがあるとみられるが、「小池対菅・増田」のバトルが再燃するのは必至だ。小池氏周辺は「右手で握手して、左手で殴りつける政治の裏の一面が出てくるかもしれない。男の嫉妬ほどこわいものはない」と警戒している。